2025年06月10日

(5)法政に完勝して雪辱

 6月8日は、王子スタジアムで春シーズン最後の試合。相手は法政大。昨年の全日本大学選手権準決勝で苦い汁を飲まされたチームである。それぞれ当時の4年生が卒業し、メンバーはかなり入れ替わっているが、春シーズンを締めくくり、「チームの現在地」を知るためには、最適の相手であろう。
 先攻はファイターズ。自陣25ヤードから始まった最初のプレーは、QB星野弟のスクランブル。5ヤードを稼ぐとともに、自身の気持ちをほぐす狙いもあったのだろう。このプレーで落ち着いたのか、次はWR百田への短いパス。それも決まって、ダウンを更新。続けてRB井上、平野に走らせ、相手陣に入る。
 気持ちにゆとりができると、プレーの選択肢も広がる。次はWR五十嵐への長いパス。これが決まって相手ゴール前5ヤード。ここからRB松村と平野を走らせてTD。K降矢のキックも決まって7―0。攻撃陣が結束して主導権を握った。
 攻撃陣が役割を果たすと、守備陣も奮起する。ラインが相手を押し込み、相手のラン攻撃の芽を摘み、前進を許さない。
 相手は、パスで活路を開こうとしたが、守備陣はそれにも適切に反応する。1度はダウンを更新されたが、2度目は許さない。DB東耕が相手のパスを奪い取り、関学陣38ヤードからの攻撃につなげる。
 守備が頑張れば、攻撃の意気も上がる。まずはRB平野が走り、次はQB星野太吾からWR百田へのパス。相手ゴールまで28ヤードまで迫ったところで、WR小段へのミドルパス。それが見事に決まってTD。PATも決めて14―0とリードを広げる。
 攻撃が順調に進めば、守備陣にもゆとりが生まれる。次の法政の攻撃を完封し、再び攻撃権を取り戻す。
 第2Qに入ってすぐに始まったファイターズの攻撃は、自陣24ヤード付近から。ここからランとパスを巧妙に使い分けて前進。立て続けにダウンを更新し、仕上げは星野。相手守備陣がレシーバーとRBをマークしている間隙をついて、ゴールまでの22ヤードを走り抜けてTD。20―0とリードを広げる。
 攻撃が勢いづけば、守備も踏ん張る。
 次の法政の攻撃は自陣25ヤードから。その第1プレーで一瞬、守備陣のカバーが遅れ、あわや独走という場面があったが、DB伊東が俊敏な動きでそれを防ぐ。彼は高校時代、サッカーをやっていたが、大学では「日本一」のファイターズでアメフットをやりたいと志願してきた男だ。
 彼の動きに刺激されたのか、次のプレーでは同じ3年生のLB油谷が果敢なタックルでボールキャリアを止める。
 守備陣の活発な動きが出ると、攻撃陣も呼応する。自陣36ヤード付近から始まった次のオフェンス。QB星野からの短いパスを受けた4年生WR五十嵐が次々と相手DBをかわし、そのまま相手ゴールまで駆け込んだ。独走を食い止めようとして手の届きそうな場所まで迫ってきた選手だけでも4人。昨年の甲子園ボウルで栄冠を手にしたチームで登用された超一流のメンバーである。
 そんな選手の動きを次々と巧みなステップでかわし、TDにまで持ち込んだ五十嵐の粘りと技術。小野ディレクターの現役時代から、ファイターズを応援してきた僕にも、こんなプレーを見た記憶は数少ない。
 話が横道に入った。試合に戻る。
 ファイターズが27―0とリードして迎えた第3Q。点差には関係なく、相手はランプレーを軸に粘り強く攻め込んでくる。4度にわたってダウンを更新し、仕上げにFGを狙う。それが外れて前半終了。
 第3Qが始まる。法政は自陣23ヤードから始まった攻撃で4回続けてダウンを更新。あれよあれよという間にゴール前30ヤードまで陣地を進めてくる。これはやばいと思ったが、肝心なところでラン攻撃が進まず、やむなくFGにチャレンジ。これが外れて攻守交代。
 ファイターズの攻撃は自陣25ヤードから。この時点で27―0とリードしているだけに、チームにはゆとりがある。ランプレーを中心に、時間を使いながら攻撃を続ける。RB深村のラン、WR川崎や百田への短いパスなどで確実に陣地を進める。
 そうして迎えた第4Q。最初のプレーで、RB平野が4ヤードを走りTD。キックも決まって34―0。
 試合終了間近に相手にTDを決められたが、最終のスコアは34―7。ファイターズの現在地を知る格好の試合となった。
 しかしながら、手強い相手は法政だけではない。目の前の関西には関大、立命という厄介な相手がいる。日本一を目指すためには、この夏、必死に鍛えて自らの力を高めるしかない。春の試合で見つけた自らの強さと弱さを胸に刻み、仲間と励ましあいながら、1段も2段も上の世界を目指してもらいたい。頑張るのはいま、この時だ。
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2025年05月27日

(4)もう一つ上の世界

 25日午後、神戸市の王子スタジアムで行われた関西大学との試合は、春とは思えぬほど熱のこもった戦いとなった。
 双方ともに、秋の本番を意識しているのだろう。攻守ともに、この相手に勝たなくては甲子園への道は開けないと思い定めたようなプレーを連発。互いに一歩も譲らぬ気持ちをぶつけあった。
 結果は17―9。後半、QB星野弟からWR小段へのホットラインが機能したファイターズが勝利したが、どちらが勝っても「よくやった。秋にもこんな試合を見せてくれ」と言いたくなるような戦いとなった。
 先手を取ったのは、能力の高いQBとRBが息の合ったプレーで陣地を進めた関大。最初の攻撃シリーズこそハーフライン近くで止められたが、続くファイターズの攻撃で、QB星野の投じたパスを関大DLがはじき上げ、浮いた球を守備陣がキャッチして攻守交代。
 思わぬ展開となったが、今度はファイターズ守備陣が踏ん張る。相手のラン攻撃をしっかり封じ込め、なんとかFGの3点を与えただけで食い止める。
 次のファイターズは自陣20ヤードから。焦らず、ラン攻撃で陣地を進める。その圧力に押されたのか、相手守備陣がレイトヒットの反則。ファイターズはそれを機に相手陣に入り、仕上げはK大西の47ヤードFG。相手に傾きかけた流れを取り戻す。
 3―3のまま2Qに入る。互いに相手の動きが読めてきたようだが、能力の高いQBとスピードにあふれたRBを有する関大の勢いは止まらない。それを必死に食い止めるファイターズの守備陣。互いに一歩も譲らぬまま前半終了。
 3Qに入っても関大の勢いは止まらない。ファイターズのパスを奪い取って攻撃権を手にすると、ランプレーでぐいぐいと攻め込んでくる。それをファイターズ守備陣が必死に食い止めるが、FGを立て続けに決められ、3Q終了時点では9−3。
 けれども、ファイターズの攻撃陣もQB星野からWR小段へのパスを武器にして攻撃の幅を広げ、テンポよく攻め込む。4Q開始早々、星野から小段へのパスを続けさまに通してTD。PATも決めて10−9と逆転。
 こうなると、守備陣も勢いづく。次の相手攻撃をしっかり抑えてパントに追い込む。
 勢いはファイターズ。即座に攻撃権を取り戻す。ここからRB平野のラン、WR百田へのパスと目先を変え、時間を使いながら陣地を進める。途中、一度は相手に攻撃権を奪われたが、守備陣が的確に対応し、即座にセンターライン付近で攻守交代。残り時間は5分を切っている。
 ここからチームでも有数の安定感がある小段へのパス、RB平野のランなどで陣地を進め、相手ゴールに迫る。十分に時間を消費したと見極めたところで、再び小段へのパス。それが決まって16−9。キックも決まって17−9。厳しい戦いに勝利を収めた。
 このように試合経過を振り返ると、ファイターズが順当に勝利を手にしたと思われる読者もおいでになるだろう。
 しかし、前半の相手の戦い方、とりわけ運動能力の高い選手たちの動きを見ていると、とてもじゃないが、そんな気分にはなれない。それは試合でぶつかり合った選手にとっても同様であろう。
 強い相手がいるから、勝ちたいという気持ちが生まれる。それが向上心を刺激し、もう一つ上の世界を見てみたくなる。その繰り返しで人は成長する。
 それが、大学卒業後、60年近く現役の新聞記者として働いてきた私の実感である。ファイターズに身を置く諸君もまた、「もう一つ上の世界」を見るために頑張ってもらいたい。
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2025年05月13日

(3)ホームで披露「新しい力」

 11日は、龍谷大学とのJV戦。会場は上ヶ原の第3フィールド。入場料は無料。事前の広報が少なかったせいもあってか、グラウンドに顔を出すと、見知らぬ人から「今日はJV戦ですか」と声をかけられた。
 JV戦であろうとなかろうと、私にとってはさしたる区別はない。この季節になると、今春、入部したばかりの新入生がぼつぼつ起用されるようになるから、彼らの動きを見るのが何よりも楽しい。
 折も折、アシスタントディレクターの宮本さんから声が掛かる。「今日の試合、1年生RBの森下に注目して下さい。きっと、驚かれると思いますよ」。「確かスポーツ選抜入試の勉強会に出ていた生徒ですね。近年は対面ではなくインターネットを通じた勉強会だから、顔と名前がすぐに合わないけど、背番号を頼りにチェックして応援します」。そんな会話をしているうちに試合が始まる。
 先攻はファイターズ。自陣30ヤード付近から攻撃を開始。まずは先発のQB星野弟が立て続けにWRに短いパスを通して陣地を進める。相手守備陣がパスを警戒すると、今度はRB深村のランで相手ゴール前28ヤード。仕上げは星野からWRリンスコットへのパスでTD。キックも決まって7―0。精度の高いパスとランを織り交ぜた攻撃で試合の主導権を握った。
 けれども、快調にスタートしても、試合経験の少ないメンバーが出てくると、様子が変わる。立ち上がりは攻守ともに、ちぐはぐな動きが出て、逆に相手は勢いづく。
 そういう膠着状況の中で目を引いたのが、宮本さんの話にあったRB森下。第3Q早々、相手のFGで7−6と追い上げられた場面である。自陣24ヤード付近から始まったファイターズの攻撃で2回続けて走り、あっと間に相手陣38ヤード。勢いづいたチームはそこからランとパスを織り交ぜて陣地を進める。途中、短いパスを通して、仕上げは3年生RB松村の19ヤードラン。14―6とリードを広げる。
 守備陣が頑張って、相手攻撃を抑えて迎えたファイターズの次の攻撃は、センターライン付近から。ここでも森下が走って即座にダウンを更新。勢いに乗ったQB片境がWR川崎へのパスを通して相手ゴール前。途中、ランプレーで時計を進め、最後の5ヤードは川崎へのTDパス。それが通って試合終了。
 このように、メンバーは次々と交代したが、守備陣が踏ん張り、攻撃陣もそれに呼応して頑張った。攻守ともに工夫を凝らしてファイターズに挑んできた龍谷大学の戦いも素晴らしかったが、それを若いメンバーを積極的に起用したファイターズが破った。両チームにとって、思った以上に収穫があった試合ではないか。こんな試合なら、これからもどんどんやってほしい。そんなことを考えながら家路についた。
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2025年05月06日

(2)新戦力が次々と

 春シーズン2試合目の相手は京大。かつてはともに、学生アメフット界のトップを目指して闘い続けた相手である。近年は組織が強化され、練習環境も整ったファイターズが有利な戦いを続けているが、それでも「宿命のライバル」意識は存在し、秋のリーグ戦では毎年のように厳しい戦いを続けている。
 以下は余談だが、そんな京大の全盛期に、朝日新聞社会部の記者をしていた僕は、当時の水野監督に単独インタビューを敢行。「ギャングスターズはなぜ勝てるのか、その強さの秘密は」と聞いたことがある。
 その質問に対する答えは「僕は毎年、新しいシーズンが始まる前に新4年生全員と個人面談をしますが、その時に必ず聞くのが『1升瓶に1升2合の水をどうしたら入れられるか』ということです。
 もちろん、そんなことは物理的に不可能です。けれども『それは不可能です』とするようではダメです。ダメと分かっていても、なにか方法はないかと考えること、そこから道は開けると僕は考えているのです」というような話だった。
 「強力な相手に勝つためには工夫が必要。そのためには、考えて考えて考えよ、というようなことですかね」と僕が応じると「まあ、そんなことですかね」と笑っておられた。その余裕のある表情が今も忘れられない。
 スタートしたばかりの今季のファイターズがそんな遺伝子を引き継ぐ京大を相手にどんな闘いをするのか。相手はどんな仕掛けをしてくるのか。あれこれ考えているうちにキックオフ。
 立ち上がり、相手のキックがサイドラインを割り、ファイターズは自陣35ヤードからの攻撃。QB星野弟がいきなり10ヤード走ってダウンを更新。続けて今度はWR五十嵐への短いパス。さらにランとパス、QBキープを織り交ぜて攻め続け、仕上げはRB井上の中央突破でTD。大西のキックも決まって7―0。
 続く京大の攻撃を4プレーで防ぎ、再びファイターズの攻撃。パスとランを組み合わせて陣地を進めるが、相手の守備も堅く、追加点は遠い。
 守備が堅いのはファイターズも同様だ。DB城島が鋭い出足で立て続けに相手の動きを止め、陣地の回復を許さない。双方が守りあう展開で前半終了。
 後半に入ると、ファイターズの攻守がかみ合ってくる。
 まずは最初の相手攻撃を守備陣が完封。それを受けて攻撃陣はTEへのパス、RBの中央突破、QBのキープなどで陣地を進める。小段への長いパスが相手の反則を誘発したこともあって、あっという間にゴール前10ヤード。ここからRB井上が5ヤード、深村が残り5ヤードを走ってTD。13―0とリードを広げる。
 勢いづいた攻撃に守備陣が応え、次の京大の攻撃を完封。それを受けた攻撃陣はQB星野弟がWR五十嵐に30ヤードのパスを通してTD。PATも決めて20―0。4Qに入っても攻撃の手を緩めず、FGで3点、星野からWRリンスコットへのTDパスとPATで7点。30―0で試合を締めくくった。
 このように試合経過だけを紹介していくと、ファイターズの圧勝のように受け止められる方も多いだろう。けれども、勝負はそんなに甘くはない。この展開のどこかでミスがあれば、相手に流れが移っていた可能性もある。そういう意味では、後半になって投入されたメンバーを含め、全員が最後まで手を緩めることなく戦ったこの試合の意義は大きい。この日の収穫と反省を上ヶ原での練習に生かし、よりたくましい集団になるべく励んでもらいたい。
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2025年04月21日

(1)新しいシーズン

 2025年4月19日、ファイターズの春シーズンが開幕した。相手は立教大学。古くから縁のあるチームである。会場は神戸市の王子スタジアム。待ちに待った初戦とあって、試合が始まる1時間以上前からファイターズの応援席はほぼ満席。私もまた、今季はどんなメンバーが出ているのかと、ワクワクしながら、チームが用意してくれたメンバー表に目を通す。
 攻守ともに、新しい名前が並んでいる。昨年の秋に先発メンバーとして出場していたのは、ほんの数人しかいない。けれども、昨季はともにけがに苦しんだQB星野(兄)君やWR小段君が試合開始直後から活躍。オフェンスの牽引者としての役割を果たしてくれた。   
 一方、昨季はLBとして注目された2年生の永井君が今季はRBに転向。立ち上がりから鋭い動きで陣地を稼ぎ、RBとしても高い能力があることを見せてくれた。
 守備で目を引いたのは、今季の主務を兼任するLBの大竹君。相手の最初の攻撃シリーズ3プレー目で相手パスを奪い取った。場所は相手ゴールまで26ヤードの地点。このプレーがファイターズのFGに結びつき、3点を先制。主務の仕事とプレーヤーを両立させるのは大変だろうが、このようなプレーを見せつけられると、守備の要としての役割にも期待が高まる。
 逆に、こうした試合展開に浮足立ったのか、相手にミスが出てファイターズが敵陣25ヤードからの攻撃権を手にした。この好機をRB井上君の5ヤードラン、WR百田君への11ヤードパスなどでつなぎ、仕上げはQB星野君からWR五十嵐君への8ヤードパスでTD。PATも決めて10−0とリードを広げる。
 これで、試合は落ち着き、ファイターズは次々とメンバーを入れ替える。QBは後半、星野君の弟に交代し、攻守ともに次々と新しいメンバーが登場する。開幕戦ということで、一人でも多く試合経験を積ませたい、練習時と同じパフォーマンスができるのか確認したい、というベンチの配慮もあったのだろう。
 終わって見れば10−0。第4Q終了まで点差の開かないままに終わった緊張感の中で進んだ試合で、その目的は十分に達せられたのではないか。
 この日、初めて対外試合の経験を積んだメンバーを含め、チームの全員がこの日の経験を糧に、更なる高みを目指してもらいたい。
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2024年12月02日

(16)悔しい結末

 甲子園ボウルへの出場権を目指す大学選手権準決勝の相手は法政大学。舞台は東京・江戸川区のスピアーズえどりくフィールド。恥ずかしながら初めて聞く競技場である。試合の前々日、上ケ原のグラウンドで、ファイターズの練習を見学している時、K.G.FIGHTERS CLUB(OB/OG会)前会長の竹田さんから「法政戦には当日の出発ですか」と聞かれ、「知らない場所だし、東京まで出掛けるのは、高齢者にはつらい。当日はネットの中継を見ながら応援させていただきます」と答えた。
 ところが、ネットの中継を一人で見るというのも、なんか物寂しい。そんな時に、自宅から自転車で10分ほどの場所に住む友人から、ネットの中継をテレビで観戦しながら応援しないか、と声をかけてくれた。
 早速、彼の自宅に押し掛け、テレビの画面に集中する。しかし、試合の状況は厳しい。立ち上がり、ファイターズはRB伊丹と澤井、それにQB星野弟による徹底したラン攻撃。途中に1本、WR小段へのパスを通して立て続けにダウンを更新する。これはいい感じ、と思った途端に相手がインターセプト。せっかくの勢いに水を差される。
 しかし、その2プレー後、今度は1年生DL田中がインターセプトのお返し。素早い身のこなしで相手レシーバーの前に入ってジャンプ。見事にパスを捕らえる。さすがは高校時代、DLとTEの両面でスタメンに起用され、チームの攻守の要となっていた選手である。その力をこの舞台で発揮した度胸も満点だ。
 次の攻撃シリーズもファイターズはランプレーが中心。途中、短いパスを1本盛り込んでダウンを更新し続け、K楯がFGを決めて3点を先制する。
 だが、相手もスピードがあって身のこなしも軽やかなRBを駆使して一気に攻め込んでくる。途中、第4ダウンショートという場面でも果敢にプレーを選択。しっかりダウンを更新して、仕上げはFG。即座に同点に追いつく。
 しかし、ファイターズの士気は高い。OL近藤が強烈なブロックで走路を開き、RBが陣地を稼ぐ。QB星野弟がWR五十嵐へ短いパスを通して陣地を稼ぎ、相手がパスを警戒すると今度は澤井や伊丹を走らせる。RB陣に警戒の目が集まると、再びパスアタック。ランとパスをうまく噛み合わせて陣地を稼ぎ、仕上げはWR坂口への短いパスでTD。キックも決めて10−3とリードする。
 相手も負けてはいない。次の攻撃シリーズで即座にやり返す。それもファイターズと同様、パスとランをうまく使い分けた攻撃だから、守備陣が対応しきれない。あっという間にTD。キックも決めて即座に同点に追いつく。
 前半が終了し、第3Qが終わっても、両者の均衡が保たれたまま。
 均衡を破ったのは法政。身のこなしの軽快なRBを駆使して陣地を進め、4Qに入ってすぐに短いパスでTD。キックも決めて17−10と引き離す。
 「これはやばいぞ」という気持ちと、「いや、この試合は1Qが15分。時間はたっぷりある。じっくり自分たちのペースで攻めてくれ」という気持ちが交錯する中で試合は進む。そうした中で反撃のチャンスを切り開いたのがファイターズ守備陣。第4Qが始まって間もなくの自軍の攻撃が不発に終わった後の相手の攻撃をしっかり食い止め、再び攻撃陣にボールを渡す。
 その最初のプレーで、星野が同じ1年生のWR立花に8ヤードのパスを決め、「うちはランばかりではない、パスもあるぞ」と相手を警戒させたうえで、伊丹と澤井を走らせる。相手の目がランプレーに向いたと見極めると再び立花へのパス。そういう形で陣地を進める。一度、攻撃権が相手に移ったが、守備陣がしっかり押さえ、再びファイターズの攻撃。そこからもパスとランを絶妙に使い分けて陣地を進めて相手に追いつき、17−17で延長戦に入った。
 迎えたタイブレーク。守備陣は法政の攻撃をFGによる3点に抑えたが、後攻のファイターズのキックは外れ、勝敗が分かれた。
 選手や関係者の無念を思うと、言葉もない。チームの柱と期待されながら、けがで出場がかなわなかったメンバーの胸中を想像するだけでもつらくなる。このコラムを書くこと自体を遠慮したい気持ちになる。
 このコラムを書かせていただくようになったのは、たしか2006年。朝日新聞社を退職して間もないころだった。以来、関西で開かれる公式戦はすべて試合会場に出向いて応援し、プレーヤーとしても、スタッフとしても活動したことのない素人の目に映る場面を記録し、文章にしてきたが、横着した報いだろうか。試合は17−17で延長戦に入り、最後は先攻の法政がFGを決め、それに失敗したファイターズが敗れた。関西リーグでの立命戦の敗北を加えると悔しさはさらに募る。
 攻守の中心になる選手が何人もけがや特別な事情で戦列を離れざるを得なかったことを勘案すれば、ここまで勝ち進んできたことをもっと高く評価する人がいてもおかしくないし、逆に、つまらん言い訳はするな、今ある力で勝ち切るのがファイターズだ、これまで勝ち続けてきたチームもそれぞれに事情をかかえていたが、それを克服して勝ち続けてきた。だからこそ称賛されているのだ、という人もいるだろう。
 そういう環境にあって、ここまで頑張ってきた今季のチームを僕は高く評価したい。関西リーグの立命戦で悔しい思いをし、東京での法政戦でまたも涙を飲む。それもまた人生の一里塚、勝ち続けてきたからこそ味わえる貴重な体験であると受け止め、明日への扉を開いてもらいたい。悔しい体験があってこそ、人は頑張れる。僕はその言葉をかみしめて生きてきた。
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2024年11月24日

(15)4年生の頑張りと1年生の奮闘

 23日は、甲子園ボウルの出場権をかけて東西の上位チームが競う一日。関西代表の関大は早稲田と、ファイターズは慶応との試合が組まれた。
 試合会場は神戸ユニバー記念競技場。神戸市の西端に近い山地を切り開いて建設された素晴らしい施設である。しかしながら、私の住んでいる西宮市からは距離があり、電車の乗り換えなどに戸惑うことも予想されるので、キックオフ(13時)のはるか前から自宅を出た。関東代表との戦いに気持ちが弾んでいたせいかもしれない。
 ファイターズのレシーブで試合開始。リターナーとして起用されたのは1年生WRの立花。今春入部したばかりだが、レシーバーとして随時起用され、その才能の一端を披露している。どんな走りをしてくれるかと期待したが、相手の蹴ったボールがそこまで届かず、その前に構えていた伊丹がキャッチ。RBのエースでもある彼が相手陣48ヤードまでリターンした。そこから伊丹の時間が始まる。まずは左の密集を突いて5ヤードのラン。QB星野弟がWR小段に短いパスを通してダウンを更新すると、そこからは伊丹のワンマンショー。途中、WR五十嵐に短いパスを一つ通しただけで、あとはひたすら伊丹が走り続けてTDまでもっていく。大西のキックも決まって7ー0。
 対する相手は徹底したパス攻撃。能力の高いQBが10ヤード前後のパスを投げ続けてダウンを2度更新。ぐいぐいと陣地を進めてくる。その攻勢を受け止めるのがファイターズの守備陣。けがから復帰したばかりの1年生DE田中志門の奮闘もあって、決定的なチャンスは与えない。1Qの終盤から2Qに移っても、パス中心の慶応、伊丹のランを中心とした関学という状況は変わらない。その流れを切ったのがDB杉本。相手が投じたハーフライン近くのパスを奪って攻守交代。ファイターズはそこから伊丹のラン、星野からWR百田へのパス、再び伊丹のラン、さらには再度WR百田へのパスなどで着実に陣地を進め、伊丹のランでTD。13ー0とリードを広げる。
 後半になってもパスの慶応、ランとパスの関学という構図は変わらない。
 慶応の攻撃で始まった第3Q最初のシリーズ。相手のパスが思い通りに通らず、わずか4プレーで攻守交代。ハーフライン近くから始まったファイターズの攻撃は星野弟からWR五十嵐へのパス、RB伊丹のラン、TE安藤へのパスなどで陣地を進める。相手ゴール前20ヤード付近まで到達すると、そこから7回連続でボールを伊丹に託す。その期待に応えた伊丹が残り2ヤードをジャンプして相手ゴールにボールを運びTD。大西のキックも決まって20ー0。
 その後、第4Qに相手のパスで7点を返されたが、20ー7で試合は終了。ファイターズの堅い守りと、思い切った攻めが功を奏した。
 チームの柱となる4年生が力を発揮し、今春入学したばかりの1年生がそれに張り合って力を発揮し始める。この日は1年生のQB星野弟、WR立花、DB小暮が先発で起用され期待に応えた。春のシーズンにいち早くデビューしたDL田中志門もけがから回復、元気に戻ってきた。LBの永井弟も、試合の立ち上がりで素晴らしいタックルを決めている。
 1年生の彼らが大学フットボールの経験を積み、さらに成長してくれれば、関西リーグで立命に敗れ、悔しい思いをしたチームの雰囲気にも影響するだろう。その悔しさをかみしめ、それを起爆剤にして奮闘している4年生と、大学生の試合に出られること、チームに貢献できることを励みにして日々成長を続けるフレッシュマン。双方の努力がかみ合えば、チームはさらに成長する。そこから甲子園ボウルへの道が開ける。
 上級生、下級生関係なく力を発揮できる環境が整っているのがファイターズの最大の強みである。その強みを生かすべく更なる鍛錬を続け、残る2試合を勝ち続けてもらいたい。
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2024年11月12日

(14)悔しい戦いを糧に

 今年度の関西学生リーグ最終戦、立命館大学との試合中、僕の胸中にはずっと「我慢や」「耐えろ」「踏ん張れ」という言葉が交錯していた。
 それほど厳しい戦いだった。力強いラインと能力の高いQB、RBを擁する相手は、攻撃に絶対の自信を持っているようで、真っ向からの戦を挑んでくる。QBは長いパスを次々と投じてくるし、時には自らボールを保持して密集を突き抜け、ダウンを更新する。主将・永井兄が率いるファイターズの守備陣もそれに対応。肝心なところはピタリと抑え、なかなか得点を許さない。それでも先手を取ったのは立命。立命陣25ヤードから始まった攻撃シリーズ。相手QBは長いパスを投じ、自らボールをもって突進する。18ヤードを走り、次は長いパス。一気にゴール前に攻め込むと、残り2ヤードを2年生RBがTDに仕上げる。これは手強いぞ、と感心しながら次なるファイターズの攻撃に目をやる。QBは1年生の星野弟。まずはWR百田へのパスで6ヤード、次はRB伊丹が走って9ヤード。相手の目がランプレーに集まったところで1年生WR立花へのミドルパス。22ヤードを稼いでハーフラインを越える。そこからWR小段への短いパスを通したところで第1Qが終了。 攻める方向が変わっても、RB伊丹がランで陣地を進め、仕上げも伊丹。その動きを予知して備える相手守備陣を押し切ってTD。7ー6と迫る。
 しかし、相手も手強い。ファイターズのキックで始まった次のプレー。守備陣のカバーに一瞬のスキができたのに乗じて相手の主将RBが65ヤードを独走。あっという間に14−6と引き離される。長年、ファイターズを応援してきたが、こんな場面に遭遇したのは久しぶりだ。一瞬、呆然としたが、それでも試合は続く。今度は自陣35ヤード付近からの攻撃だ。我慢のしどころであり、気持ちを奮い立たせる場面だ。その期待に応えて星野が百田や五十嵐に次々とミドルパスを通し、あっというまに相手陣に入る。間にランプレー二つを挟んで再び百田へのミドルへパス。しっかり陣地を進めた後はRB陣の出番。TE安藤へのパスを一つ挟んだ後、伊丹が中央突破でTD。2点を狙った伊丹のランも決まって14−14と追いつく。続く相手の攻撃は時間との闘い。第2Qも残り2分を切っていたが、巧みにパスを織り交ぜ、時計を止めながら攻め続け、しっかりFGに仕上げて17−14で前半終了。
 後半に入っても立命の攻撃、ファイターズの守備という構図は変わらない。互いにがっぷり組み合って譲らず、第3Qは双方ともに無得点。第4Q終盤に立命がランプレーでTDを挙げ、24―14で勝利。双方ともに6勝1敗で今季関西リーグを終えた。しかし、当事者同士の対戦で立命が勝利していることから、甲子園ボウル出場権をめぐる扱いは立命が1位相当。ファイターズが2番手となった。
 ファイターズはこの後、全日本大学選手権のトーナメント準々決勝でまず関東3位の慶應大と対戦し、勝てば準決勝でおそらく関東1位の法政大と対戦する。それにも勝利することができれば、決勝の甲子園ボウルに出場できる。
 ファイターズにはまだ挽回の機会はある。主力に負傷者が多く、最後まで不本意な戦いを強いられた今季の関西リーグだが、いまは我慢の時である。 全員が心を結び、火の玉となって甲子園ボウル出場に向かって戦おうではないか。
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2024年11月08日

(13)関西学院の脈動

 本箱を整理していたら、興味深い冊子が見つかった。2011年10月に朝日新聞出版が発行したアエラの「関西学院大学」特集号である。「世界市民になる」というサブタイトルにある通り、世界に羽ばたく関西学院大学の魅力を様々な角度からアピールした冊子である。
 その中で「関西学院の脈動」というタイトルでに大学が誇るクラブ活動を二つ取り上げ、その魅力を現場から報告している。体育会系では「アメリカンフットボール部」、文化系では「グリークラブ」。アメフット部の紹介は8ページにわたり、そのトップには、見開き2ページを使って黄色い三日月が抱える「KG」の文字が輝く青いヘルメットが据えられている。
 筆者は、グリークラブがプロのルポライター、そしてアメフット部は小生。その筆者紹介欄には1968年、文学部日本文学科卒、朝日新聞社会部記者、論説委員、編集委員を経て2006年度から紀伊民報編集局長などとあり、親切なことにファイターズの公式HPでコラム「スタンドから」を連載中とも記されている。
 僕はそこで、戦後の草創期から開拓されたファイターズのアメフット人脈を紹介するとともに、指導者としても大きな足跡を残された米田満さん、古川明さん、武田建さんたちの業績を取り上げつつ、その下で育ったコーチや監督が引き継いだ「よき社会人を育てる」チーム作りと、ファイターズというチームの根底を流れる取り組みの一端を紹介している。
 例えば、長く監督を務められた鳥内監督は、毎年新しいシーズンが始まる前に、新4年生と個別面談。「どのようにチームに貢献するのか、どのようなチームを作りたいのか」「フットボールを通じてどんな人間になりたいのか」と問いかけ、「上に立つ者ほど重い責任を負い、規範を守る取り組みが求められる」と強調されている。
 選手に負けないくらいの気概を持って取り組んでいるマネジャーやトレーナー、分析スタッフのことにも触れ、毎年、納会で表彰される「アンサングヒーロー賞」、つまり「地味な働きであっても、身を挺してチームのために貢献した部員」に光を当てる賞についても説明。これがファイターズというチームの根っこにある考え方だと強調している。
 大雑把に言えば、歴代のメンバーがライバルとの戦いの中で培い、醸成してきたファイターズの歴史、その特徴について記した文章である。
 こんな記事を書き、印税を頂いたことなど、すっかり忘れていたが、今季、関西リーグの最終戦、立命大との戦いの直前に、ひょっこりと本棚から見つかったのも何かの縁だろう。チームに届け、現役の諸君を応援するささやかなツールになれば、と考えている。
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2024年10月29日

(12)見どころ満載の熱戦

 26日は関大戦。まだ始まったばかりと思っていた今季の関西リーグも、はや終盤の戦いに突入している。
 会場は東大阪市の花園ラグビー場。初めて訪れた競技場である。近鉄・東花園駅で降りて10分ほど。多分、選手やチアリーダーらの関係者だろう。にぎやかにおしゃべりながら足を運ぶおばさんたちの後ろを追いかけるように歩いていると、どでかい建物が見えてきた。外から見ても素晴らしい建物だが、入場してみると、さらに素晴らしい。美しく整備された芝生。
 入場すると、美しく整備された芝生のグラウンドが広がっている。観客席はホームとビジターチームが全く平等になるように設計されており、双方の応援席に次々と応援の人たちが詰めかけてくる。私の住む西宮市から遠いのが難点といえば難点だが、そんな勝手な都合よりも観客席からグラウンド全体を俯瞰できるのが何よりだ。
 ファイターズのレシーブで試合開始。その第1プレー。TE安藤がサイドライン沿いに駆け上がり、24ヤードほどのゲイン。ハーフライン付近から今度はRB伊丹が走り、パスを受けて、立て続けにダウンを更新。相手ゴール前28ヤード付近まで迫る。
 押せ押せムードになったところで、なんとエースQB星野秀太が倒れた。立ち上がれないほどのダメージを受けている。先日の京大戦で復帰し、鮮やかな司令塔ぶりを発揮し、さすがはお兄ちゃん、とチームメートを安心させていたのに、復帰2戦目早々にまたもリタイア。「かわいそうに。神様もあんまりではないか」と思わず、天を仰ぐ。チームにも動揺があったのか、その次のプレーで狙ったFGは外れ、無得点で攻守交代。嫌な予感がする。
 けれども、試合に臨んでいる選手たちは目の前のプレーに集中するしかない。守備陣が奮起し、1年生の時から活躍している能力の高い相手QBのパス攻撃を何とか食い止める。
 「ここは我慢比べ。攻守とも我慢に我慢を重ね、機会を捕まえたら一気に爆発させてくれ」と祈るような気持である。
 それにチームが応えてくれた。攻撃ではラインの面々が相手を押し込み、RBやQBが動きやすいように空間を作る。その空間を生かしてRB伊丹が立て続けに走る。素早い身のこなしとパワフルな動きで陣地を稼ぎ、あっという間に相手ゴール前10ヤード。「お兄ちゃん」に代わって出場したQB星野太吾の動きもよい。即座に8ヤードを走り、ゴール前2ヤード。相手は壁を作って防ぐが、オフェンスラインの押しが強く、その勢いを利してRB澤井がのTDにつなげる。キックも決まって7ー0。
 相手も負けていない。次の攻撃シリーズではしっかりFGを決めて7ー3。2Qに入ってもスコアに差はあっても5分と5分の戦は続く。ファイターズがFGで3点を追加すれば関大も即座にFGを決めて10ー6。
 「関大は自分たちの攻撃パターンを持っています。一方、ファイターズはオフェンス陣が相手を押し込んでいます。双方のチームがそれぞれの持ち味を生かした熱戦です」。ファイターズが場内だけで開局しているFM放送の解説を担当されている小野宏さんの声にも力が入ってくる。
 そういう動きの中で、徐々に力を発揮し始めたのがファイターズ。自陣25ヤードから始まった次の攻撃シリーズで、まずはQB星野弟が14ヤードを走り、次はWR小段への短いパス。次はRB伊丹が45ヤードを走って相手ゴール前16ヤード。そこからRB澤井のランなどで陣地を進め、仕上げも澤井のラン。大西のキックも決まって17ー6とリードを広げる。
 攻撃陣が安定すると、守備陣にも余裕が出る。第2Q終了間近に相手が投じたロングパスも、DB豊野が余裕をもってインターセプト。相手の攻撃を断ち切る。
 後半になってもこの流れは変わらない。ファイターズはRB伊丹と澤井のランで陣地を稼ぎ、仕上げは星野弟からWR五十嵐へのTDパス。それが決まってさらにリードを広げる。第4Qに入っても勢いは止まらない。QB星野のドロープレーで陣地を稼ぎ、それに呼応する形でRB伊丹がTDを決める。立ち上がりの苦しさが嘘のようなゲーム展開となったが、それもこれもオフェンスラインが踏ん張り、DLやLB、DBがそれぞれの役割を忠実に果たしてきた結果だろう。格段に能力の高いQBとRB、レシーバーを有する相手が彼らの長所を生かすため、逆にプレーの幅を狭めてしまったように見えたのとは対照的な結果となった。
 最終のスコアは31−15。ファイターズが勝利をつかんだが、こういう戦いぶりを目の前に見て、アメフットという競技の奥の深さをしみじみと感じた。双方がそれぞれの長所を生かそうとして知恵を絞り、技と力を真っ向からぶつけあったこの日の試合は、今後、ほかのチームにとっても格好の研究材料になるに違いない。
posted by コラム「スタンドから」 at 07:55| Comment(0) | in 2024 Season