2022年09月12日

(9)イヤーブックの3人

 毎年のことながら、ファイターズのイヤーブックは読み応えがある。今年も占部雄軌主将の「勝つべくして勝つチームを体現する」という決意表明から始まり、ポジションごとにリーダーたちがそれぞれのポジションを代表して覚悟のほどを言葉にしている。
 読み応えのあるのがKG野球部OBで、オリックス・バファローズのコーチである田口壮氏とファイターズの大村和輝監督、そして占部主将によるオンライン対談である。「目指すべきリーダー像」をテーマに、4段組5ページに渡って語り合っている。それぞれが現場を預かる人たちであり「勝つべくして勝つ」チームをつくるために努力されているだけに、話が具体的で興味深い。試合会場でも販売しているので、興味のある方はどうぞ、ご購入を。
 そのイヤーブックで、僕が特に注目したのは「ファイターズをめざす君へ」というテーマで、いま注目される3人の選手が語っている内容である。登場するのは4年生WRの林篤志(阪南大学高校・高校時は野球部)、3年生DB高橋情(大阪仰星高校・同サッカー部)、同じくWR衣笠吉彦(関学高等部・同サッカー部)の3君である。
 それぞれ大学入学を機会に、それまで続けてきた競技を離れてアメフット部に入部。全くの初心者としてこの競技に取り組んでいる。「下級生時には、練習を終えて帰ってから毎日、戦術ノートを書き写し、復唱しながら覚えていました。現在も新しいプレーは必ずノートに繰り返し書いて覚えるようにしている」(林君)、「経験者よりもプラスで練習するなど、今、どの立場で、何をしなければならないのかを理解し、それを実行することで成長を肌で感じる」(高橋君)、「1日に5食食べることを意識している。後世に名を残す選手になることを目標にしている」(衣笠君)など、それぞれの目標を胸に刻み、練習に励んでいる。
 その努力が報われ、今ではそれぞれのポジションにとって欠かせぬ選手の地位を確保しつつある。高橋君は昨季から先発メンバーに名を連ね、衣笠君も50ヤード走4秒4というチーム1の俊足を生かして今季は初戦からスタメンで出場、1年生QBの投げるパスをしっかり確保していた。
 林君も多士済々のレシーバー陣の中で徐々に頭角を現し、今季はキッキングゲームでもリターナーを務めている。多分、公式戦での先発は初めてだったと思うが、初戦では安定したキャッチを見せていた。チームがスタンドで開設しているFMラジオで解説を担当されている小野宏デレクターが試合中、2度に渡って「今のはいいプレーです。安定していますね」と賛辞を贈られているのを隣で聞きながら「努力は報われる」と、わがことのようにうれしかった。
 この3人だけではない。ファイターズには、高校時代までは他の競技に熱中し、大学に入ってからアメフットの転じて活躍している選手が何人もいる。現役の部員だけをみても、主将の占部君は高等部時代はラグビー部の主将だったし、初戦に先発したDL亀井君も報徳学園のバスケットボール部出身だ。試合の後半、DEとして出場し、QBサックを決めた太田君も青森県の弘前学院聖愛高では野球をしていた選手である。
 今春、入学したばかりで、出場経験がないだけでなく、まだルールも覚えていないようなメンバーの中にも、コーチ陣から「あの子は将来、大いに期待できる」と名指しで保証されたメンバーもいる。
 そういうメンバーが高い目標を持って練習に励み、自ら鍛えてチームを背負っていく。その見本のような3人にスポットを当てたイヤーブックの「ファイターズをめざす君へ」。彼らだけではなく、後に続くメンバーが彼らを目標に練習に励み、自らを鍛えてチームをリードしていく。そういう循環が生まれるのも、ファイターズというチームの奥の深さであり、ファイターズという組織が目指している課外活動の魅力であろう。
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2022年09月06日

(8)ベンチの意図が貫かれた試合

 2022年度ファイターズの初戦、甲南大学との戦いは、ベンチの意図が最初から最後まで貫かれた試合だった。
 どういうことか。具体的に見ていこう。
 一つは新しく戦力になる可能性のある選手を大胆に起用し、存分に活躍できる場面を与え続けたこと。ゲームを指揮するQBに、大学生としては一度も試合経験のない1年生の星野(足立学園)を初めて起用し、最後までゲームの指揮を執らせ続けたことがそれを象徴している。
 もう一つはDBの先発メンバーに1年生の東田隆太郎と磯田啓太郎(ともに高等部)を起用したほか、交代メンバーとして1年生のWR五十嵐太郎(高等部)、川崎燿太焉i鎌倉学園)、Kの大西悠太(高等部)らを次々に起用し、それぞれに活躍の場を与えたこと。もちろん、2年生でこれまで実戦で活躍した経験がほとんどないメンバーも数多く起用し、活躍する場を与えた。先発メンバーとして起用されただけでもOLの近藤剣之介(佼成学園)、金川理人、巽章太郎、森永大為(いずれも高等部)、DLでは川村匠史(清風)などの名前が挙がる。昨年から活躍しているDBの永井(関西大倉)は、守備の最後列から何度も相手QBに襲いかかっていた。
 驚いたのは、そうしたメンバーが全員、それぞれの持ち味を発揮し、スタンドから応援している私たちに将来の可能性を見せつけてくれたことである。
 とりわけすごかったのが冒頭に紹介したQBの星野。173cm、75kgと小柄だが、その分、動きは素早い。パスもしっかり投げられるし、コントロールも上々だ。何よりも状況判断が素晴らしい。試合開始の第1プレーで、いきなりゴールライン間際まで40ヤードのパスをWR鈴木にヒットさせる度胸と技術。これが大学生としての第一プレ一だというのだから、スポーツ漫画の書き手も真っ青だろう。そのプレーを当然のように決める技術と勝負度胸。
 この日のスタッツを見ると、星野はパスで260ヤードを獲得。自身のランプレーでも8回63ヤードを稼いでいる。もちろんチームでトップの記録である。
 試合終了後、大村監督に「今日は、最初から最後まで星野君で行くつもりだったんですか。その意図は」と聞くと、「昨年は2番手のQBを育てていなかったから、鎌田がけがをしたときに苦労した。今年はそんなことがないように、最初から星野に経験を積ませるつもりで試合を任せた。よくやってくれた」との答えが返ってきた。
 なるほど、そういうことかと納得した。他のポジションでも、成長途上にある下級生やけがから復帰した上級生を次々と起用した意図もまた同様だろう。万一のけがに備えて選手の層を厚くする。それがチーム内での競争を激化させ、結果として層の厚いチームが出来上がる。
 そのような意図を持って、シーズンの初戦から大学生として一度も戦いの場に立ったことのない選手を起用し、その選手にゲームを委ねる。その意図をくみ取った試合経験豊富な上級生らが下級生をフォローし、伸び伸びとした環境で試合経験を積ませる。
 その好循環。そう思って試合中に取ったメモを読み返すと、試合開始直後の第一プレーで40ヤードのパスを当然のように確保したWR鈴木君も、第2Qの終盤、ライン際へのミドルパスを確保すると、そのまま相手守備陣を振り切ってゴールラインまで駆け込み、ダメ押しともいえるTDを挙げたWR糸川君も、それぞれのプレーで新人QBをもり立てていたことがよく分かる。
 とりわけ鈴木君は、普段の練習時、星野君がウオーミングアップをする際には、必ずと言ってよいほど相手役を務め、双方の呼吸を会わせるように務めている。
 そういう練習時からの積み重ねが、シーズンの初戦、大学生として初めての試合に先発した1年生QBを落ち着かせ、その力を存分に発揮する場を与えたのだろう。「練習は嘘をつかない」と言う言葉をそれぞれのプレーで実証した試合に、たった4年間しかない学生スポーツの神髄を見たような気分になって帰途についた。
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2022年08月29日

(7)いざ、開幕

 コロナ禍の中、仕事の時以外は大抵、家の中に引きこもって本を読んでいる。日課の散歩こそ欠かさないが、それも早朝、人の動きが少なく、太陽が照りつけない時間帯を狙って義務的に歩いているだけだから、何の楽しみもない。最近は、自宅近くの西宮市段上町の農家が早朝から畑で収穫し、販売されているイチジクを買いに行くのだけが楽しみという単調な生活である。
 もう一つの楽しみは、自転車で上ヶ原のグラウンドに出掛け、ファイターズの練習を見ること。これだけは熱中症注意報が出ようが、夕立が来そうであろうが関係なく、喜々として出掛けるのだから、自分でも物好きなことよと感心する。
 こんな毎日を過ごしておりながら、肝心の応援コラムはまるまる1カ月、勝手に休載。読者の皆さまに何の情報も提供せず、誠に申し訳ない。ともかく気持ちも新たに今週から再開させていただきます。
 さて、どこから書き始めようか。読者の方々が一番お知りになりたいことは何か。昨年も活躍した上級生たちは、コロナ禍にも負けず、元気でプレーしているか。新しく入部したメンバーで秋のシーズンに登場するのはどんな面々か。そんなことが一番の関心事だろうが、そのことはあえて書きません。
 シーズン開幕と同時に登場し、活躍しそうな有望株が何人も存在するというだけを紹介し、後は試合会場でその魅力、可能性を自分の目で確かめていただきたい。その楽しみを横取りするようなことはしてはいけないと思っています。
 ただし、僕のようなアメフットを体験したことがない人間から見ても、この子はすごい、と思える選手が何人もいます。そうした選手を自分の目で見つけ、その素晴らしさを堪能してください。僕は、私はこの選手を4年間、応援し続けたいと思える選手が複数いることだけは保証できます。
 もちろん、昨年から活躍している上級生たちも元気いっぱいだ。攻守の主力メンバーは学年が一つ上がってチームをリードする立場になり、それにふさわしい行動、プレーを練習時から見せている。昨季から試合に出ている新3年生、新2年生の多くも一段と力を付けてきたようだ。ともに初戦から、その力を発揮してくれるのは間違いなさそうだ。
 このようなことを書き並べていると、僕の中では改めてファイターズというチームの特徴が見えてくる。それは、どの選手にもチャンスを与え、そのチャンスをつかんだ者を登用するという仕組みである。
 そんなことは当たり前、と思われる方も多いだろうが、僕が新聞記者として、あるいは日本高校野球連盟の理事として、高校野球の有名な指導者らと関わってきた中では、控えの選手まで含めた全部員の実力や将来の可能性を正確に評価するのは難しそうだった。もちろん優れた監督やコーチは日々、選手たちと接しているからチームの状況は把握されているのだが、その対象はあくまでレギュラーが中心。選手登録された控えメンバーまでは目が行き届いても、それ以外の部員にまでは目が届かないことも多かったようだ。
 これに対してアメフットは選手の交代が自由で、それぞれの役割も分担されている。少々動きが鈍くても、当たりが強ければ活躍できることがあるし、逆に、視野が広い、足が速いというだけで十分にポジションを任せることができる選手もいる。
 とりわけファイターズの場合は、プロの監督やコーチ、それに大学職員のコーチやボランティアのコーチまで、数多くの有能な指導者がグラウンドに詰めかけ、それぞれのパートごとに選手の一挙一動を注視されている。さらには有能な学生スタッフが練習時からすべてのプレーをビデオに収録。それをコーチが克明にチェックして個々の選手の指導にも生かされる。
 そういう仕組みの中で、練習時には見えていなかったプレーにもすべて目を通し、これは、という動きをする選手がいれば、今度は現場でその選手の動きをチェックする。他の選手にはない長所や動きが見えれば、その長所を伸ばす具体的な手法を考える。
 こういう連環の中で素材を見つけ、成長を促すための手立てを考える。その仕組みを長い歴史の中で日々リセットしながら、よりよいシステムにしているチームだから、才能のある選手が埋もれてしまう可能性は少ない。
 こうした中で発掘された素材がさて、公式戦でどんな活躍をするか。応援の方々も、王子スタジアムでの選手諸君の動きを刮目(かつもく)して見て頂きたい。期待は裏切られないはずです。
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2022年07月19日

(6)本当の魅力

 コロナ禍がぶり返し、前期試験もあって第3フィールドから、すっかり人影が消えた。週末は、自転車をこいで仁川からの坂道を上り、ファイターズの練習を見学するのが日課だった僕も、練習がないのではなすすべがない。家にこもって昔読んだ藤沢周平や辻原登、それに山田風太郎らの本を次々に引っ張り出し、読んでは眠り、起きては読むことの繰り返しで日を送っている。
 そんな怠惰な週末、待ちかねていた小野宏ディレクターの講演会のニュースが届いた。「アメリカンフットボールの本当の魅力」。主催する朝日カルチャーセンター川西の案内によると、8月26日18時半、川西駅前のアステホール(アステ川西6階)、オンライン講座も併設とある。
 これはファイターズの保護者やファンの方々にとびきり人気のある講座。毎回、100人、200人単位でファイターズファンが詰めかけ、小野ディレクターの理詰めの解説を聞く。要所要所にビデオの映像を交え、ファイターズの戦術やプレーについて詳細に解説し、なぜそのプレーが企画され、どうした仕組みで成功したのか(あるいは防がれたのか)といったことを分かりやすく解説してもらえる。
 現役の頃からファイターズの頭脳と呼ばれ、卒業後は朝日新聞に就職。記者として将来を期待されていたのに、大学職員に転職してコーチとしてチームに戻り、ずっとファイターズを育ててこられた人の解説である。いまは幹部職員として忙しく、第3フィールドで顔を会わせる機会もほとんどないが、それでも試合のたびに場内だけのFM放送で試合の解説を担当されている。それを隣で聞きながら、なるほど、なるほどとうなずくのが僕の楽しみである。
 今年の講座では、昨年秋、関西リーグと甲子園出場校決定戦の2度にわたって死闘を繰り広げた立命館との試合を中心に解説。なぜ、ファイターズが勝てたのか、その戦術やプレーについて、映像を交えて話してもらえる。現場で応援していた人はもちろん、テレビの解説者らも見逃していた場面を取り上げ、なぜ、そのプレーが選択されたのか、そのプレーを成功させるためにどんな工夫があったのかといった点について説明してもらえる。
 そこからフットボールの持つ奥行きの深さや、現場を預かる監督やコーチの役割の大きさ、向上心を持った選手を育てることの重要性などを説明し、フットボールという競技の持つ独特の魅力について語られる。
 同じボールゲームでありながら、野球やサッカーなどとは異なり、フットボールは1プレーごとに試合が中断し、選手が交代できる。代わりに競技時間は厳格に管理され、決められた時間の中で勝敗が決まる。そういう他の競技にない特徴を片方は生かそうとし、もう片方のチームはそれを無効化させるために知恵を絞る。その駆け引きと奥の深さが理解できるようになれば、応援する側の楽しさもより深まる。
 チーム作りから実際の試合まで、それぞれの場面に秘められている「フットボールの本当の魅力」。それを昨年の2度にわたる立命館との戦いを中心にビデオで振り返り、解説しましょうという講座である。ファイターズファンなら、何があっても見逃せない。
 オンライン講座を含め、申し込みは朝日カルチャーセンターのホームページから。参加費は3190円(会員は2750円)。

※編集者注:講座の詳細は以下からご参照ください。
http://www.kgfighters.com/topics_detail2/id=1458
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2022年06月16日

(5)実戦こそ成長の場

 12日、王子スタジアムで行われた東大との試合は、これまで観戦したどの試合とも異なる味わいがあった。
 互いに勝利を目指して戦っているのだが、それだけではない。自分たちの日頃の取り組みが力のあるチームに通用するのか、普段の練習とは異なる相手のスピードや当たりに、どこまで対応できるのか、チーム内の意思確認は練習時と同様、スムーズに運ぶのか。
 そうした数多くの課題をそれぞれのチームが実戦で試す機会としてこの日の試合を位置づけ、一つ一つのプレーに全力を尽くしたのだと僕は受け止めている。
 もちろん、双方ともに思い通りにいかなかったことが多かっただろう。公式戦なら致命傷になるようなミスもあったし、メンバーが交代すると同時に、まったく別のチームになったような場面も数多くあった。
 けれども双方のベンチはまったく動じた様子はなく、ひたすら自分たちの課題を追求し続けた。東大のオフェンスでいえば、終始一貫して続けたオプションプレー。1990年代、強力なQBとオフェンスラインを要した京大が工夫し、ファイターズやパンサーズを圧倒したフレックスボーン体系からの攻撃を次々に展開した。
 ただし、この日の相手は悪かった。ファイターズのベンチには、京大が強力な攻撃力を誇った時代に、その対応に日夜頭を悩まし続けた指導者が何人も存在する。グラウンドでプレーする選手たちには珍しく、対応が難しいプレーであっても、ベンチの対応力は別だ。相手が仕掛けてくる攻撃をしっかりと受け止め、次々に無力化していく。
 一方、ファイターズは遠投力のあるQB鎌田がお約束のようにパスを投げる。立ち上がりからWR糸川、衣笠に連続してミドルパスを通して陣地を進める。相手守備がパスに備えるとRB前島、澤井のランプレーを挟み、仕上げはWR河原林への19ヤードのパス。余裕でキャッチしてTD。試合が始まって2分少々、5プレー目の攻撃だった。
 驚いたのは次のシリーズ。東大最初のオフェンスは5プレー連続で同じような隊形からのランプレー。全盛期の京大が得意としてきたプレーである。最初のシリーズでそれが立て続けに決まり、ダウンを更新された時には、本当に驚いた。
 守備陣の対応で、なんとか次のシリーズを封じ込め第4ダウンはパント。これがまた素晴らしい。滞空時間も飛距離も長く、落ちてくるのを待ちかねたレシーバーがファンブルするおまけまでついた。何とか本人が確保して攻撃権を取り戻したが、観客席からも思わず驚きの声が上がった。
 けれども、能力の高いQBとWRを擁する攻撃陣は慌てない。QB鎌田が同学年のWR衣笠、鈴木へポンポンとパスを決め、仕上げは副将糸川への20ヤードのパス。福井のキックも決まって14ー0。ファイターズのパス攻撃のすごさを見せつける。
 次の東大の攻撃を4プレーで封じて迎えた次の攻撃は一転してランアタック。RB澤井、藤原が立て続けにドロープレーで陣地を進め、仕上げはRBのリーダー前島が55ヤードを走り切ってTD。まだ第一Qも終わっていないのに21ー0。
 手元のメモ帳を見てもわずか1ページの空間に赤い丸で囲んだTDとKの字がそれぞれ3箇所ずつ記されており、完全にファイターズペースで試合が進んでいることが裏付けられる。
 けれども、東大のオフェンスはひたすら似たような隊形からのランプレーを続ける。自分たちのプレーがどうすれば通るのか、どこに強みがあり、弱点があるのかとひたすら試し続けているようなプレーコール。そこには一つ一つのプレーと相手の反応をすべて映像に記録し、今後の改善につなげ、より洗練された攻撃スタイルを確立しようという執念のようなものが感じられた。東大がこの試合に求めていたものの正体が見えたようにも思えた。
 目先の成否ではなく、今後のチーム作りに資するものすべてをこの試合から吸収したいという高い目的意識。東大にとっては、それこそがこの試合に期待するすべてだったのではないか。そう考えると、さすが東大、という気持ちがふつふつとわいてきた。
 それはまた、この日の試合に出場したファイターズの諸君にとっても、大いに参考になる考え方ではないか。一つの失敗、一つの成功。相手との力比べ、臨機応変の競り合い、そしてスピード競争。そうした競り合いのすべてが成長の糧になる。高い目的意識を持って臨んだ実戦の経験は、悔しさも含め、すべてが成長のきっかけになる。
 先日、大村監督と少しばかり話した時の言葉が耳に残っている。「選手が成長するには実戦が一番。そこで悔しい思いをしてこそ、人は成長する。これからの試合にもどんどん下級生を起用して、成長のきっかけをつかませます」。春シーズンは残り少ないが、これから続くJV戦が一層、楽しみになってきた。
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2022年06月14日

(4)深い縁、不思議なご縁

 12日は東大との戦い。僕にとっては初めて見る組み合わせで、どんな試合になるのかと興味津々で王子スタジアムへ出掛けた。
 いつものように場内だけのFM放送を開局されるファイターズの席に付く。ところが、この日はいつもの試合とは異なり、ビシッとスーツ姿を決めた竹田OB会長や、その前のOB会長の奥井さんらが近くのファイターズ関係者席に陣取り、その周囲にはフットボール会場では余り見掛けることのない紳士や淑女の姿も見える。その人たちが互いに親しく挨拶を交わされている。
 一体、どういうことなんだろう、と新聞記者の血が騒ぐ。目は試合前の練習を追いながら、耳は周囲の会話の断片を聞き取り、忙しいことこの上ない。おまけに、この日の放送席のゲストは、今春、大学を卒業して社会人になったばかりの元トレーナーにして今春の卒業時にはアンサングヒーロー賞を受賞された萩原楓さん。僕が非常勤講師をしていた最後のころの受講生であり、いつもしっかりした小論文を提出し、グラウンドでも気持ちよく挨拶を交わしてくれていた部員である。
 やがて、FM放送を仕切る小野ディレクターが着席されるが、普段以上に忙しそうである。周囲のOB会長らに挨拶を交わし、ご婦人たちにもあれこれと、段取りを話されている。その会話から、目の前の試合より、ハーフタイムの儀式の段取り、その後の東大関係者との懇親会の手配など、あれこれとなさねばならないことが積み重なっていることが推測され、この日の試合が二つの大学にとって特別の意味を持っていることが見えてくる。
 そう、この日の試合は、60年以上も前、東大にアメフット部が誕生した時から結ばれてきたファイターズとの縁を思い出し、その繋がりの延長上に、新たな一歩を記す親善試合でもあるのだ。
 どういうことか。
 会場での小野さんの放送を聞き、帰宅後、小野さんから送信されていたメールで確認すると、東大アメフット部の誕生には関学の関係者が大きな役割を果たしており、この日の試合は、その時の繋がりを再確認し、現代につなげるという役割を持っていたのである。
 一つは、東大にアメフット部を作ろうと都立戸山高校でタッチフットボールをしていた市川氏が声を上げたとき、マネジャーを担当させてもらいたいと名乗りを上げたのが小宮太郎氏。僕が関西学院に在学中、院長をされていた小宮孝先生のご子息であり、関学高等部でもマネジャーをされていた人である。
 小宮氏は即座にマネジャーに任命され、その帰り際、「関西学院大学のコーチの方が来年1年間、国内留学で東大に来られる。その方にコーチをお願いしてはどうですか」と提案された。その提案が採用され、その方、つまり米田満先生が東大アメフット部の草創期を支えることが決まったそうだ。
 米田先生(僕にとっては保健体育の先生であり、新聞記者としての大先輩でもある)は、こういう因縁があって東大の監督に就任、同時に研究生と言う立場を生かし、寄せ集めで発足したチームの主力選手としてもプレーされたそうだ。
 小宮院長も米田先生も、60年近く前、僕が関西学院大学に在学中は雲の上の人だった。米田先生とはその後、いろんな形でお世話になり、甲東園のご自宅にうかがったり、関学会館のロビーで長時間話し込んだりしてきたが、そんな方々の名前が次々と出てくる。そこにフットボールが取り持つ不思議な縁を感じて、この日の試合は特別の感慨があった。
 そういえば、隣で放送されている小野ディレクターも、放送の合間に「東大にアメフット部を作った市川新さんは、戸山高校の先輩であり、僕が在学中は監督をされていた方です。不思議なご縁を感じますね」と話されていた。
 不思議な縁といえば、この日の東大の攻撃を仕切ったコーチは、ファイターズで強肩のQBとして活躍された加藤翔平氏(2010年度卒。香山コーチの1年先輩である)。試合後のグラウンドで「お元気ですか、加藤翔平です」と挨拶されて驚いた。聞けば、プロコーチとして東大アメフット部に採用され、チーム作りに励んでいるという。「近いうちに甲子園で会いましょう」と挨拶したが「頑張ります」と勢いよく応じてくれた。
 こういう深い縁(えにし)で結ばれた東大と関西学院の試合。その詳細は、稿を改めて書かせて頂くつもりである。
posted by コラム「スタンドから」 at 19:58| Comment(1) | in 2022 Season

2022年05月31日

(3)現在地を知る

 28日、エキスポフラッシュフィールドで行われた関西大学との試合後、帰途に着く僕の頭の中に、ずっと同じ言葉が聞こえていた。「現在地を知る」と言う言葉である。
 春とはいえ、双方がライバル心をむき出しにしてぶつかる戦いである。試合前の練習から、互いの動向に目をこらし、相手の一挙一動に注意を払って観戦。場内だけに流されるファイターズのFM放送で小野さんの解説を聞きながら、双方の動きを注視してきた。
 試合前の練習で目に付いたのが関大の選手の動き。この日に向けて調子を整えてきた様子がひしひしと伝わってくる。これは、厳しい勝負になるぞ、という予感がする。
 ファイターズのレシーブで試合開始。最初のランプレーこそ進まなかったが、2プレー目はQB鎌田からWR衣笠への素早いパス。11ヤードを稼いでダウンを更新。続けて今度は鎌田からWR糸川への10ヤードパスでダウン更新。次は再び衣笠への8ヤードほどのパス。立て続けに短いパスを成功させ、ハーフライン付近まで進む。
 けれども関大の守備陣は手強い。DLはでかいし、LBの動きは素早い。とりわけランプレーに対する反応の早さに驚く。スタンドから眺めていても、驚嘆するほどだから、体をぶつけ合っている選手はなおさらだろう。 そんなときに、ファイターズに手痛い反則が出る。交代違反で5ヤード後退させられ、せっかくの好位置を生かすことができない。パスプレーもまた、相手の目が慣れてきたのか、カバーが早く、思い通りには進まない。結局、パントに追いやられたが、そこで今度はスナップが乱れ、ほとんど元の位置に近いところで攻守交代。
 これは、悪循環。なんとか踏ん張らないとと思った瞬間、DL浅浦が相手QBをサックし勢いを取り戻す。
 それでもひるまないのがこの日の関大。第3ダウンで一気に30ヤード余り陣地を回復。ゴール前20ヤード付近でダウンを更新する。これはやばい、と思ったところで、今度は守備陣が奮起する。
 第1プレーはDB波田、第2プレーはLB海崎、第3プレーはDL山本征太郎がそれぞれ見事なタックルを決めて相手を後退させる。それで動揺したのか、相手はFGを外し、得点には至らない。
 一進一退の試合が動いたのは、第3Qに入ってから。ファイターズ守備陣が頑張って相手を進ませず、自陣34ヤード付近から始まった攻撃で、今度はRB陣が奮起。途中、ホールディングの反則で10ヤードを後退させられたが、RB伊丹が15ヤード、20ヤード、前島が3ヤードと陣地を進める。相手守備陣がランを警戒したところで今度は鎌田が衣笠へのミドルパスを2本続けてヒット。途中、RB池田のランプレーを挟んで、仕上げもWR鈴木へのTDパス。K福井のキックも決まって7−0。
 しかし、相手の攻撃は手強い。素早い動きが持ち味のQBを中心に立て続けに陣地を進め、あれよあれよという間にTD。キックも決まって7−7。
 第4Qも残り時間は10分少々。その場面で迎えたファイターズの攻撃。自陣25ヤードからQB鎌田がWR鈴木、糸川への短いパスを立て続けに決めてダウンを更新。センターライン付近で一度、RB池田へのランを入れ、ラン攻撃もあるぞと見せかけた後、今度はWR糸川への35ヤードパス。それが見事に決まってゴール前8ヤード。残り時間を考えると、何が何でもTDを取りたい場面である。
 そこでファイターズが選択したのが徹底したランアタック。勢いのあるRB伊丹を立て続けに走らせて第4ダウン、残り1ヤード。そこでもランプレーを選択したが、結局、その1ヤードが取り切れずに攻守交代。試合は7ー7で終了した。
 どちらにも勝つチャンスはあった。しかし、スタンドから見ている限り、ファイターズが押され気味に見えた試合だった。
 さて、ここまで試合展開を追ってきたが、ここでようやく本題の「現在地を知る」である。どういうことか。
 一つは、秋のシーズンに立ち向かってくるライバルたちの現在地を知ること。この日は関大の現在地(攻守とも、厳しい戦いを繰り広げた昨年よりもさらに力を付けている。ベンチの取り組みも、以前と様相を一変し、ははるかに重層的になっている)を見せてもらったが、同じように立命もまた、昨年以上に力を付けて立ち向かってくるだろう。つまり、昨年もきわどい勝負を繰り広げたライバル2校は、昨年以上に手強い相手になるということである。
 対して、ファイターズの現在地はどうか。正直に言って、今春卒業したメンバーたちの穴を埋め切れていないと感じる部分が多々あった。それは、個々のプレーだけではなく、普段の練習時の取り組み方にも及んでいるように思えた。
 急成長を遂げている下級生は少なくない。この日、目立った選手だけでもオフェンスではWR衣笠やRB伊丹、ディフェンスではDL浅浦や山本、DBの山村や永井の成長が著しい。けれども、練習時のプレーや行動などを見ていると、まだまだ昨年度の最上級生には及ばないというのが正直な感想である。
 試合後、大村監督と少し言葉を交わしたが、「(選手たちも)これで(チームの)現実が分かったでしょう。しっかり取り組ませます」という言葉が耳に残っている。
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2022年05月23日

(2)選ばれるチーム、育てるチーム

 当方の手違いで、先週はほとんど練習を見ることができなかった。グラウンドには3日連続で出掛けたのだが、1日は練習が休み、もう1日は練習が朝から開始。僕が第3フィールドに到着したときには、全体練習は終了。それぞれのパートで個別の練習に取り組んでいた。結局、最初から最後まで練習を見学できたのは1日だけ。われながら不細工な話である。
 けれども、先日の桜美林大との試合やその前の練習などを含めて振り返ると、このところ年々、素晴らしいメンバーがファイターズに集まっていることを実感する。
 どういうことか。一つはスポーツ選抜入試で、ファイターズを志願してくれるアメフット経験者が増えたこと。もう一つは高校時代、アメフットとは縁のなかったアスリートが、大学ではファイターズを最優先で志願してくれるケースが増えたことだ。
 以前なら、東西の実力校と奪い合いになっていたような高校生が「ファイターズでやりたい」と顧問の先生などを通じてチームに連絡を取ってくれることが多くなったと聞くし、高校時代は野球やラグビー、陸上競技など多様な分野で活躍していた選手が大学では是非アメフットをやりたい、日本一のチームで自分の可能性を試したい、という例も増えたそうだ。
 先日の桜美林との試合に出場し、活躍したメンバーにも、そうした面々が何人もいる。例えば、主将のOL占部君。関学高等部ではラグビー部の主将だったが、大学では迷わずファイターズへ。3年間、ずっと下積みの練習を続けてきたが、4年生になるとその積極的な姿勢が評価され、主将に推挙された。
 立ち上がり、いきなり40ヤードのパスをキャッチし、堂々のTDを奪ったWR衣笠君も高等部時代はサッカー部のゴールゴールキーパー。ファイターズ史上で例のないほどのスピードで相手ディフェンスを抜き去る豪快なプレーでファンを楽しませてくれる。梅本コーチによると、まだまだコース取りや捕球などに課題はあるが、末恐ろしいプレーヤーになる可能性を秘めているという。
 昨年秋、すい星のように現れ、2年生ながら背番号0を着けて先発メンバーに名を連ねたDB高橋君も、高校時代はサッカー部。とても未経験者とは思えないほど的確なプレーで守備に貢献した。
 先日の試合で存在感を見せつけたOLの鞍谷君は、最初の入試では失敗したが、どうしてもファイターズで活躍したいと、一浪して入学。2年生の時から、随時スタメンで起用されるほどの力を見せ、今や堂々の先発メンバーだ。
 先日の試合に起用された下級生にも、高校時代は野球部、というメンバーが何人かいたし、ようやくけがから回復した4年生DL亀井君のようなバスケットバール経験者もいる。
 こうした多彩な経歴を持ったアスリートに志願してもらえるチーム、それがファイターズであり、そうした面々に試合で経験を積ませ、やがてはチームのリーダーとして育て上げるのがファイターズというチームであり、指導者である。
 清少納言の言葉を借りれば、まだまだ「春はあけぼの やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明かりて」という状態ではあるが、こうしたメンバーがアメフット経験者に追いつき、追い越して行く先には「いとおかし」という世界が展開するに違いない。
 それを期待して今週もグラウンドに足を運び、週末は万博のスタジアムに向かいたい。その前に、練習開始時間をしっかり確かめよう。
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2022年05月17日

(1)今季初の応援席

 15日は、王子スタジアムで春季交流戦、桜美林大学との戦いだった。僕にとっては今季初めての試合であり、キックオフのはるか前から開門前の行列に並んだ。
 たまたま先週は時間的なゆとりがあり、水曜日と金曜日に上ヶ原の第3フィールドに出向いて練習を見せて頂いたので、チームの仕上がり具合はある程度、想像が付く。新しく幹部になって、下級生の頃とは練習に臨む態度が一変したメンバーもいるし、昨年秋の厳しい戦いを通じて急成長した選手もいる。
 入試対策の小論文指導を通じて、名前だけは知っていた新入生の中には、もう1軍の練習に加わっているメンバーもいる。
 そんな面々がどんな活躍をするか。まずはスタンドに座って当日のメンバー表を端から端まで眺める。
 毎年のことだが、新しいシーズンのはじめに見るメンバー表には、特別の感慨がある。前年まで活躍した4年生の名前がごっそり抜け、期待値の高い下級生の名前がどのポジションにも数多く並んでいる。その名前と顔を思い浮かべながら、さて、今日はどんなプレーを見せてくれるか。首尾よく1軍の試合で実力を発揮できるか。それとも気合いが空回りしてしまうか。すでに実績のある上級生から、新入部員まで、それぞれの名前と背番号をチェックしながら試合前の練習を見ている時間は、本当に充実している。
 午後1時半、相手のリターンで試合開始。第1プレーでいきなり13ヤードを走られ、ダウンを更新されたが、次のプレーをLB浦野が一発で止める。これで落ち着いたのか、続くランプレーもパスプレーも守備陣がきっちり受け止め、第4ダウンは相手陣35ヤード付近からのパント。
 このパントをキャッチしたWR糸川が鮮やかなステップで相手のタックルをかわし、相手がキックで稼いだ距離をそのままリータンして攻守交代。相手陣44ヤードからファイターズの攻撃が始まる。
 さて、どう攻めるか、と見ていたら、第1プレーも第2プレーもパスが通らない。けれども、そんなことでくじけるファイターズではない。第3プレーはQB鎌田からWR衣笠への長いパス。それが見事に決まってTD。記録上では44ヤードのパスだが、QBがいったん下がって投げているから、実際にパスが飛んだ距離は60ヤード近い。チーム史上でもまれな衣笠の走力と、鎌田の強肩が見事にかみ合って両軍の応援席がどよめくTDが生まれた。
 こうなるとファイターズベンチも落ち着く。守備陣はDB永井の素早いタックルなどで相手攻撃を完封。力強いOLに守られた攻撃陣は糸川や鈴木へのパスで陣地を進め、仕上げはRB池田のラン。あっという間に2本目のTDを奪って14ー0。2Qに入っても強力なラインに支えられたファイターズの勢いは衰えず、ランとパスを組み合わせ、仕上げは再び池田ランで21ー0。
 特筆すべきは、こうした攻撃を支えたOL陣と相手の攻撃を素早い出足で食い止めたディフェンス陣の力強さ。スタンドから見ていても、攻守ともにサイズ、筋力、スピード、ファンダメンタルをしっかり鍛えてきたことがうかがえ、今後の戦いに大いに期待が持てた。
 ベンチも同じような手応えを感じたのだろう。まだ第2Qの半ばというのに、次々と交代メンバーを起用。攻撃ではエースの鎌田まで引っ込めて、試合経験の少ない下級生QBに出番を作った。
 試合経験の少ないメンバーが多くなると、攻撃は思い通りには進まず、守備にもほころびが出る。2Q半ばからは双方にミスが続出し、互いに点を取り合う「乱打戦」になったが、終わってみれば45−21。ファイターズにとっては、攻守とも先発メンバーに地力が付いていることを確認できたこと、交代メンバーを次々に起用して彼らの現在地を確認できたことが一番の収穫と思える試合だった。
 付記
 @今季からキッカーとパンターを務めている福井君の成長ぶりに驚いた。昨年も折々に出場していたが、学年が一つ上がってボールの飛距離、滞空時間が長くなり、安定感も増している。昨年度、終始安定したキックを見せ、優秀スペシャルチーム選手として関西学生リーグから表彰されたK永田君に劣らぬ活躍を期待したい。
 A僕が密かに注目していた下級生メンバー(とりわけ、昨年はまったく出番のなかった面々)も次々に起用されたが、思い通りに動けなかったメンバーが多かったように思える。けれども、1年間、1軍の試合とは縁のない場所で鍛えてきた面々に、いきなりの実戦で経験者と同じ活躍を要求するのは無理がある。相手のスピード、当たりの強さを体験し、彼我の力の差を知っただけでも大きな収穫である。今季、入学したばかりのメンバーを含め、変に落ち込まず、この日の経験を今後の試合に生かすことを期して練習に励んでもらいたい。
posted by コラム「スタンドから」 at 08:51| Comment(1) | in 2022 Season