2006年07月05日

(11)意義のあるJV戦

 サッカーの中田英寿選手が引退を公表した。今日は一般紙もスポーツ紙もその話で持ちきりだ。僕も務め先の小さな新聞社で、早速、彼にまつわる思い出をコラムに書いた。
 けれども、ここはファイターズのブログ。中田選手について書きたいことが山ほどあっても、優先順位は断然ファイターズである。それがたとえJV戦であっても、世界のナカタを押しのけて書かせていただく。

 2日の日曜日、ファイターズのグラウンドでJV戦があった。相手は流通科学大。観客席がまだ整備されていないことなどから、開催の広報はせず、いわば練習の延長のような試合だったが、それがめちゃめちゃ面白かった。
 理由はいくつかある。
 一つは選手と観客の距離が近いこと。もう一つは2年生を中心に、普段はあまり試合に出ていない選手が続々登場すること。そして、今春入学した期待の1年生が相次いでゲームにデビューしたこと。この3点である。
 まず、ベンチが観客席の目の前だから、ベンチに下がってきた選手の表情やしぐさが手に取るように分かる。上級生がプレーごとに指示を与えている声も丸ごと聞こえる。
 とりわけ、普段の試合なら自分のプレーで精いっぱいの1本目の選手たちが、この日はベンチで試合の流れを食い入るように眺め、自分のポジションでプレーする選手たちの動きに一つ一つチェックを入れていたのが印象的だった。DLの川島君には國方君が付きっきりで指導し、OLの面々には野原君と生田君が声をからして注意する。RB陣には川村君と稲毛君が指導役となって、一つ一つの動きにメスを入れている。なぜタックルが決まらなかったのか。なぜ、相手を交わせなかったのか。なぜ、ブロックする相手に逃げられたのか。一つのシリーズといわず、一つのプレーが終わるごとに、問題になるプレーをした選手をベンチに呼び、その動作を分解しながら解説し、問題点を指摘する。注意を受けた選手は、すぐに芝生の上に飛び出し、次には見事なブロックやタックルを決めて戻ってくる。
 そういう具体的な指導が目の前で展開されている。通常の試合と違って、ファイターズの関係者しか見ていないから、隠すことは何もない。試合とともに、そういうベンチの様子が目の前で見られるのだから、楽しいことこの上ない。
 普段は、チョコッとしか試合に出る機会のない選手が次々に登場して、ビッグプレーを連発するのも、見ていてワクワクした。高校生の時から期待しているWRの藤本浩貴君は終始、余裕のパスキャッチで格の違いを見せてくれたし、RBの浅谷君もいきなり80ヤードを独走してタッチダウンを奪った。前回の明治大学戦の最後に登場し、非凡な才能を見せつけたQBの幸田君は素晴らしい強肩で、三原君と加納君のスターター争いに割り込んできそうなパフォーマンスだった。ディフェンスでは、DB深川君が相手QBのピッチしたボールを鋭い出足で横取りし、そのままタッチダウンする妙技を見せてくれたし、DL黒澤君の鋭い動きも目に付いた。
 彼らは2年生で、時々は試合に出ているが、この日が正真正銘のデビュー戦という1年生も活躍した。
 例えば、何度も独走し、大器の片鱗を見せてくれたRBの河原君。1年先輩の稲毛君よりまだ小柄に見えるが、スピードとバランスはピカ1。彼は高校2年の春、僕が観戦していた試合で「ボールを持てばタッチダウン」という恐ろしい走りを見せてくれたことがあったが、その時以上のすごみが漂っていた。WRの藤本祐太君は余裕でパスをキャッチしていたし、LBの吉川君やDLの三井君、藪内君、矢ノ川君も落ち着いて守っていた。
 こういう未来のスターたちが活躍し、それをベンチが細かくチェックする試合。いわゆる「2軍戦」ではなく、チームの基盤を整え、底上げを計る意味で、非常に意義のある試合であると僕は思った。そんな試合を、防具のぶつかり合う音が聞こえる位置で観戦できるのだから、病みつきになる。
 ちなみに試合は49−6。ファイターズの圧勝だった。
posted by コラム「スタンドから」 at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | in 2006 Season
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