2007年07月09日

(14)宝の山の物語

 昨日は「NEW ERA BOWL」。けれども、朝から森林ボランティアの活動で山仕事に出掛け、くたびれてしまったので、観戦は中止。友人から招待券をもらっていたのに、もったいないことをした。ファイターズの選手が19人も出場するというのに、その活躍ぶりが見られなくて残念だった。
 といいながら、実はこの手の混成軍団の、いわばお祭りのような試合には、そんなに魅力を感じないのである。もちろん、関西の各大学を代表するアスリートが顔をそろえる試合だから、秋のリーグ戦を観戦する参考になるし、アメリカから参加した選手たちの迫力あるプレーにも興味はある。だから毎年、欠かさず観戦してきたのだが、今年はとうとうサボってしまった。
 でも、「ファイターズ命」の僕にとっては、こういう混成チームの高度な戦いよりも、ファイターズの選手たちが必死懸命にプレーする試合(たとえそれがJV戦であっても)の方が10倍も20倍も楽しいのである。だから今週は、先週の日曜に上ケ原で行われた神戸学院大とのJV戦の感想を、1年生に注目して、ぜひとも書いておきたい。
 感想というよりも感慨といった方がいいかもしれない。とにかく、今年の1年生諸君の持っている「天分」に感嘆したのである。スポーツ推薦などで入部した選手も、高等部から進学してきた経験者も、素晴らしい才能を感じさせてくれた。アメフットはまったく未経験という1年生にも、すごい天分を持ったプレーヤーがいる。「宝の山」といっても大げさではない。
 もちろん、入部して3カ月ほどの選手のことを、名前を挙げて論評することに抵抗感を抱かれる方もあるだろう。わずか2試合のJV戦で少々活躍したからといって喜ぶな、とお叱りを受けるかもしれない。実際、対戦相手の力量を勘案すれば、手放しで喜ぶようなことではないのかもしれない。
 けれども、彼らの持っている素晴らしい才能をみなさまにお伝えする以上に、何を書くことがあるのか、という気持ちは抑えがたい。なんせ、JV戦である。観戦者の絶対数が少ない。2試合あわせても延べ500人にもならないだろう。ならば、より多くのファイターズのファンに、その試合で感じた急所だけでも報告するのが、このコラムの使命であると思い定めて、あえて書かせていただく。
 まずオフェンスである。なんといっても目を引くのはWRの松原(箕面自由)。すでに上の試合にも出ているから、お馴染みの人もいるかもしれないが、とても新人とは思えない柔らかなパスキャッチと、捕球してからのスピードが出色だ。神戸大戦の23ヤードTDパスも、神戸学院戦の50ヤードTDパスも、ともに捕球してから相手DBを抜き去ったTDだった。秋のリーグ戦では、史上最強の呼び声の高い強力WR陣の一角に食い込んで活躍してくれるに違いない。
 同じ箕面自由からきたRBの久司の走りっぷりにも、度肝を抜かれた。神戸学院大戦ではボールを受け取るたびに独走TD(32ヤード、14ヤード、56ヤード)という衝撃のデビューだった。それでいて、全力で走っているというよりも、見た目には8割程度の力で走っている印象。これは松原も同じだが、ともに走力があって、なおかつ体のバランスがよいからだろう。
 走力があってバランスがいいといえば、WR渡辺(東山)のスピードとセンスにも目を奪われた。アメフットは未経験。初めて試合に出て、最初に投じられたパスをこともなげにキャッチし、ライン際を駆け上がって34ヤードを獲得。高校ではバスケットの選手だったが、そのスピードなかなかのものだ。
 その昔、いまは神戸製鋼ラグビー部の監督をしている平尾氏が全盛のころ、どうしてそんなにやすやすと相手タックルがかわせるのですか、という質問に「いつも、感覚として8割程度のスピードで走っているから」と答えているのを読んだ記憶があるが、松原も久司も渡辺も、無意識のうちにそんな感覚でプレーしているのかもしれない。
 同じように「8割の力」でパスを投げていたように見えたのがQBの加藤(星陵)。初戦こそ、緊張していたようだが、2戦目は自由自在。12回投げて9回成功、222ヤード獲得。そのうち3本はTDパスだった。ファイターズのQBの中では一番の長身でもあり、計り知れない可能性が感じられる。
 オフェンスラインにも、酒井(戸山)、山内(高等部)、高田(高等部)、村田(大阪学芸)という将来性豊かなメンバーが顔をそろえた。未経験者にも浜崎(鈴蘭台)という運動能力に優れた選手がいる。みんな身長にも恵まれているので、しっかり練習して体を鍛えれば、十分活躍出来そうだ。
 ディフェンスにも人材が揃った。ラインの平沢(高等部)と村上(関西大倉)は関大戦にも登場。とてもルーキーとは思えないほど素早い動きをしていた。しっかり鍛錬すれば、ともに秋には試合に出してもらえる機会も増えてくるだろう。
 DBにも吉井(高等部)、桜間(高等部)、善元(箕面)という元気のよいメンバーが揃っている。それぞれ、足が速くて当たれる選手である。高校時代は野球部だった三木(岡山東商)も足が速い。まだ動きはぎこちなかったが、経験を重ねるごとにそのスピードが生きてくるだろう。
 最後に、忘れてならないのがキッカーの伊井(大阪桐蔭)。アメフットは未経験だが、高校時代はサッカー部というだけあって、キックもパントも飛距離は十分。経験さえ積めば、これまた将来が期待される。
 名前は挙げなかったが、ほかにも「金の卵」は一杯いる。けがで出遅れている選手もいる。そんな選手がしっかり鍛えて、秋にどんな姿で登場するか。楽しみで仕方がない。
posted by コラム「スタンドから」 at 09:24| Comment(1) | in 2007 Season
この記事へのコメント
 ニューエラについて、同感です。この手のゲームは、タレントによる個人技フェスティバルでそれなりには楽しいかも。米国のレベルを肌で感じつつ、2部3部リーグの部員達ももっと出ればなあとも思います。いつも公正無私なTV解説の濱田篤則さんには頭が下がります。
 前身の平成ボウルは助っ人を加えた2チームの対戦といった趣で、記憶に新しいです。殊にミレニアム平成ボウルでは、ベンチサイドに小野コーチ、有馬君、#19岡村君、#16尾崎君が並んでいた光景が壮観で、今でも強烈に瞼に焼き付いています。
 また、IVY BOWLは故篠竹監督の下、真剣そのものでした。いつか復活して欲しいボウルゲームの一つです。
 顧みると、先人のフットボールに懸ける情熱には並々ならぬものがあり、感服します。伝統を感じずにはいられません。
Posted by Blue Blood at 2007年07月11日 01:33
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