2010年07月22日

(15)僕の「本業」

 ヘルペスって、油断がならない。初めは胸のあたりに時々、変な痛みが走る程度だったんだけど、お医者さんに診断してもらって、薬を飲み始めたころから、キツイ痛みに変わり、痛み止めを飲まないと仕事も手に着かなくなってしまった。1週間ほど前から、ようやく痛みはなくなったけど、不摂生をすると再発することが多いそうだ。
 かかりつけの医者は「これも老化現象の一つですよ」と簡単にのたまう。けれども、老化を認めたくない僕としては、見栄を張って「もう痛みは消えました。大丈夫です」というしかない。そんなこんなで、このコラムもしばらく間があいてしまった。
 そうこうするうちに、昨日(21日)は朝日新聞の夕刊(統合版地域では22日朝刊)に連載されている「メディア激変」に僕の名前が載り、古い知り合いから電話やメールが相次いでいる(ほんの2本だけですけど)。
 どういうことで取り上げられたのかは、その新聞を読んでいただくとして、これは報酬をもらっている「本業」に関することだから、その仕事ぶりをまっとうに取り上げられることは、それなりにうれしい。先日来、朝日新聞社発行の「ジャーナリズム」という専門誌や日本新聞協会発行の「新聞研究」に、相次いで長文のレポートを掲載。「本業」の方でも、少しばかりは存在感をアピールしてきたから、それに注目してくれる人もいるということだろう。
 けれども、世間からはまったく注目されていないところに、僕の本当の「本業」がある。ファイターズで活躍することを夢見て、スポーツ推薦で関西学院の試験を受けようとする高校生に対する小論文の指導である。毎年、この時期になると、毎週のように該当する高校生に集合してもらい、夜間、2〜3時間の勉強会を開いて、文章の書き方を教えているのである。あの平郡君や池谷君の代からスタートした集まりだから、今年でもう12年目になる。
 今年も、高校の1学期の試験が終わった直後から勉強会を始めた。関西勢は西宮市内の某所に集まってみっちりと個別指導。東京組は、ファクスで送ってもらった小論文を添削し、個別に講評を書いて送り返す。それをこの夏休み期間中、毎週のように続け、9月の試験に備えるのである。
 スポーツ推薦制度について、ファイターズの受け止め方は、かなりストイックである。いま高校野球で問題になっている「特待生」制度とは、考え方が根本から違っている。監督にもコーチにも、アメフットの選手として優れていればそれでいい、という考え方はまったくない。アメフットを通じて、いかに立派な社会人を育成するか、人間としてどのように成長していくのか、という点に力点を置き、ファイターズという組織がその成長をどう担保していくか、というところに心を砕いている。
 推薦入試を受ける高校生に対しても、この考え方は貫かれている。だからこそ、試験に備えて、少しでも勉強しよう、力を付けようということで、この勉強会も開催しているのである。及ばずながら、僕もお手伝いをさせていただいているのである。
 毎年のことだが、この勉強会に集まってくる高校生は、好感の持てる子ばかりである。リクルートを担当しているディレクター補佐の宮本敬士氏や歴代のリクルート担当マネジャー(今年は森田義樹君)が高校生の試合を丁寧に見て回り、試合中のパフォーマンスはもちろん、それ以外の行動や学業に対する取り組みなどをチェックしたうえで、推薦するメンバーを厳選しているからだろう。
 もともとが同じアメフットの選手。学校は違っても、関西の大会で対戦している選手同士だから、顔を会わせれば打ち解けるのも早い。勉強会のたびに、簡単な食事をともにして、あれやこれやと話し合うのだが、全員がもう同じチームのメンバーのように、親しく口をきいている。
 その姿を見ていると、絶対にこの子たち全員を合格させたい、一人も落としたくないという気持ちになる。小論文指導者としての闘志がわいてくる。これが小論文指導を、僕の「本業」と思い定めている由縁である。
posted by コラム「スタンドから」 at 22:24| Comment(5) | in 2010 season
この記事へのコメント
石井さんのご努力には、高校現場の一教師として本当に頭が下がる思いです。人間教育を第一義に、今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。試合会場で、お会いできればラッキーです。
Posted by 高校教師 at 2010年07月23日 22:07
 先生のご尽力などのお陰もあり、入部に対する認識も確立され、入部後の部員たちによる揶揄されるような事例もなく、練習並び試合に専念できる環境は素晴らしく誇りに感じます。
 将来ファイターズでやりたいと考えている高校生たちへの誇り、心強い励みに繋がっているはずです。
 また、遠く関東からファイターズを志す高校生にまで及ぶものであることを知るにつけ、有難さをより深く感じます。
Posted by もうこころはカネイチ屋 at 2010年07月25日 08:41
朝日新聞の「メディア激変」読ませていただきました。石井さんの仕事でのご活躍を知ることができて自分のことのようにうれしかったです。ご多忙にもかかわらず、未来の関学戦士の育成のお手伝いに感謝しています。石井さんのコラムはこのホームページの中の一番の楽しみとなってきております。ところで最近私の職場の同僚が石井さんと同じヘルペスになり3日程入院しました。かなり重傷になっていて、顔にもみみずばれのようなものが出ており、大変だったようです。くれぶれもお体には気を使ってください。とはいうものの和歌山との行き来はかなり、体にはこたえますでしょう。石井さんが病気になりませんように、陰ながらお祈りしております。
Posted by saka49 at 2010年07月26日 23:46
 FIGHTERSに入部したくて受験するも叶わず、他チームに入って大活躍をした選手もいました。また、強豪高からすんなり入れず、浪人をした部員も多くいます。KGの厳しさが垣間見られます。スポーツ推薦=セレクションの構図が当て嵌まらないチームです。
Posted by Blue Blood at 2010年07月27日 03:17
石井さん
ご無沙汰しています。99年から10年程、いつも夏合宿でお会いする谷口です。一ヶ月程前にニュージーランド赴任となり、今年から暫くは夏合宿でお会いできなくなり残念ですが、このコラムはNZでも読んで元気を頂いています。私も東京でコーチを10年していましたが、その理念は【良き社会人の育成】です。
私自身が35年前に現役の時はそれほど意識しなかったのですが、ファイターズの存在意義は【良き社会人の育成】に有る事を強く感じます。
いつも楽しみに読んでいます。お体をご自愛下さい。
Posted by 谷口 義弘 at 2010年07月30日 16:38
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