今季から学生アメリカンフットボールの頂点を競う甲子園ボウルの仕組みが変更になり、初めて関西リーグのチーム同士がトップの座を競うことになった。関西リーグを勝ち抜いた関西学院大学ファイターズと、リーグ戦では敗れたが、関東地区の代表校などを破って復活した立命館大学パンサーズ。互いにライバルとして戦ってきた両チームが今季を締めくくる晴れ舞台に上ったのだ。
天気は晴れ。しかし、甲子園球場につきものの浜風が強い。この浜風が勝敗のカギを握っているのでは、と余計な心配をしながら一塁側アルプス席最上段の席に着く。席の隣はファイターズが公式試合のたびに設営している放送席。チームの小野宏ディレクターたちが観客のみなさんに向けて、プレーの解説などをされる「ミニラジオ放送局」である。
午後1時40分、試合開始。ハーフライン付近から攻撃を始めた立命がQBキープ、WRへのミドルパスなどで陣地を進め、あっという間にゴール前15ヤード。そこからパスを決めてTD。あれよあれよという間に7ー0。
これで勢い付いた相手は、続くファイターズの攻撃を余裕で食い止め、自陣16ヤードから2度目の攻撃シリーズ。ここでもランとパス、それにQBのキープと目先を変えながら陣地を進め、最後はQBが左サイドを駆け上がってTD。キックも決めて14ー0。
この勢いに飲まれたのか、ファイターズの攻撃は進まない。あっという間にパントに追いやられる。けれども、ここでファイターズ守備陣が踏ん張る。4プレーで攻撃権を取り戻し、攻撃陣に反撃を託す。
しかし、次の攻撃シリーズも4プレーで終わり、またも相手の攻撃。それを守備陣が完封し、再び攻撃権はファイターズに。今度は、自陣34ヤードからという場所からの攻撃とあって、QBが星野兄に代わり、WR五十嵐に20ヤードのパスを投じて陣地を進め、最後はRB井上が1ヤードをダイブしてTD。K大西のキックも決まって14ー7と追い上げる。
けれども、相手は勢いに乗っている。QBのランで陣地を進め、長いパスを通してTD。あっという間に21ー7と引き離す。
しかし、再び登場したQB星野弟がWR小段へのパスで陣地を進め、自身のキープ、RB永井のランなどで相手陣奥深くに攻め込み、残る2ヤードを自身のランでTDに結びつけた。大西のキックも決まって21ー14。立ち上がりに2本のTDを決められ、苦しい戦いとなったが、何とか追い上げ、勝敗の行方を後半に持ち込んだ。
だが、この日の相手は一味違う。第3Qに入っても攻撃の勢いは衰えず、QBのランでTD。28ー14とリードを広げる。
この加点が効いたのか、ファイターズの攻撃陣には焦りのような雰囲気が生まれ、思い通りに攻撃が進まない。逆に相手守備陣にはゆとりが生まれ、それがファイターズの攻撃を止めるのに役立っていることがスタンドからでも見えてくる。
守備が安定すると、攻撃陣にもゆとりが生まれる。第4Qにもフィールドゴールとタッチダウンで10点を加え、最終のスコアは38ー14。ファイターズにとっては悔しさの募る結末となった。
外野から応援しているだけの私にとっても悔しい結末だが、それを悔やんでも仕方がない。今季限りでこのコラムを書くことを辞退させていただき、来年からは別の形でチームを応援させていただこうと考えている。長年のご愛読、本当にありがとうございました。心から感謝しています。
2025年12月16日
(14)悔しい結末
posted by コラム「スタンドから」 at 12:05| Comment(11)
| in 2025 Season

長年のコラムご執筆、お疲れ様でございました。
小生、息子が高等部でアメリカンフットボール部
に所属させていただいたご縁で、2005年より
拝読させていただいておりました。
(大学でRB、キャプテンをされておられた
松岡様の代です)
石井様のファイターズのみならず、学生フット
ボールに対する熱量溢れるコラムを楽しみに
しておりました。
前後いたしましたが、小生は立命館大学の出身
で、当時まだ弱小であったアメリカンフット
ボール部に知人がいたことから、学生時代から
関心を持ち、息子がプレーするに至って、関学
立命の対決を毎年楽しみにしておりました。
昨年、今年と久方ぶりに立命館が勝利致しまし
たが、連覇時代の関学にはいつも、痛いほどの
思いをさせられ、毎年、息子の得意げな顔を
見て、溜息をついておりました。
石井様のコラムは、今年が最期とのお言葉。
長年楽しませていただきました事、御礼
申し上げたく、失礼ながらコメントさせて
いただいた次第です。
今後もどうぞご自愛いただき、また、別の形
で、石井様の思いに触れられればとの勝手な
思いを添えて、深く御礼申し上げます。
長年、大変お疲れ様でした、そしてありがとうございました。
ファン、卒業生、ファイターズOBOG、その他関係者へのレポートのみならず、社会に対してのファイターズブランディングに寄与、そして現役諸君に対しても自分達がどの様なことをしているのかの確認手段であったと思います。
ありがとうございました。
ファイターズOB 谷口義弘
選手たちは最後まで良く頑張ってプレーしてくれたと思います。
石井先生のコラムはずっと楽しみに読ませていただきました。 コラムは今回で終了とのこと、残念です。本当に長い間 ご苦労様でした。 今後も時折にはエッセイーを読ませていただきたいなと思っています。
本当にありがとうございました。
関学時代はグリークラブに属していましたが、ファイターズの活躍が眩しく、今は全力で応援しています。
新しい企画を楽しみにしています。いつまでも、お元気で執筆をつづけて下さい。
ずっと拝読しておりました。
現在30歳を越す娘が関学に入学、同級生がキッカーだったこともあり、応援に行くことが楽しみでありました。
オフェンスとディフェンスの違いもよくわからなかった私が還暦過ぎてもスタジアムで歓声上げたり、ため息ついたり。
一瞬たりとも目が離せないアメフトというスポーツの楽しみを知ることができて幸せです。
勝っても負けても分かりやすく読み応えのあるこちらのコラム終わってしまうのは残念でありますが、次への期待も込めて、
長年、ありがとうございました、
長年にわたりコラムをご執筆いただき、誠にありがとうございました。
現役時代、私は石井さんのブログを読みながら、自分なりにフィールドや試合を客観的に捉えようと努め、多くのことを学ばせていただきました。決して理解力が高かったわけではありませんが、それでも石井さんの言葉から多くの気づきを得ることができました。
正直に言えば、私は現役時代に大した成果を残したわけではなく、今振り返ると「本来は途中で身を引くべきだった」と思うこともあります。そんな私が試合について何かを語る資格はありません。ただ、現役を引退して10年以上が経った今でも鮮明に思い出されるのは、勝利の記憶や成功体験ではなく、敗北や失敗、そして情けなかった自分の姿ばかりです。成功の記憶は、時間とともに驚くほど薄れていくものだと実感しています。
一方で、数々の失敗の記憶が鮮明であればあるほど、それが現在の自分の活力となっていることも事実であり、無駄なことは一つもなかったと感じています。
現役で戦ってきた四回生の皆さんは、今まさに強い悔しさや葛藤の中にいることと思います。しかし、その想いこそが、これからの人生における大きな糧となり、さらなる成功への原動力になるはずです。どうかその悔しい気持ちと正面から向き合い、大切に抱えながら、長い人生を歩んでいかれることを心より願っております。
改めまして、石井さん、長い間本当にお世話になりました。
石井先生のコラムが今季でピリオドとの事、寂しい限りです。20年間、ずっと楽しませて頂きました。ありがとうございました。
ずっと楽しみにし、拝読させて頂いていました。
宇良関に関係したコラムで、相撲部の顧問がN元教授であることを知り、より身近な存在になりました。Nさんとは学科は異なりましたが、大学時代の友人のひとりでした。
試合の経過はわかりやすかったですし、愛情を持って選手のこと記述されていることが、印象的でした。本当に長期間ありがとうございました。
私事ですが、関西に在住していたときは、西宮球技場、西宮球場(スタジアム)などしばしば応援に参りました。アメフト観戦にのめり込んだ結果、20代後半に3年弱ですが、選手として社会人のフットボールを経験させてもらいました。
ファイターズは、これからより厳しい戦いを強いられると思われますが、常に応援しております。
長い間、ありがとうございました。