2022年10月17日

(11)山積する課題

 スタンドから観戦していても、まだまだ課題が多いことが見えた試合だった。
 15日、王子スタジアムで行われた今季第4戦、神戸大学との戦いは29−0。試合そのものは終始、ファイターズが先手を取り、優位に進めていた。試合後、公表されたスタッツを見ても、それは理解できる。総獲得ヤードは309ヤード(ラン121ヤード、パス188ヤード)、逆に相手に奪われた陣地は114ヤード(ラン10ヤード、パス124ヤード)。相手の攻撃権を奪うインターセプトの回数はファイターズが5回、相手が2回。この数字だけを見れば、ファイターズが優位に試合を進めていたと受け止める人も多いだろう。
 しかし、スタンドから見ている限り、そういう楽観的な気分とはほど遠かった。どうしてか。例えば、反則回数を見てみよう。相手は1回、マイナス10ヤードなのに、ファイターズは6回、マイナス60ヤード。それだけでも驚きだが、それらの反則がすべて攻撃時に出ていることに、もっと驚く。自分たちが必死になって攻め込んでいるのに、それを自分たちで帳消しにしてしまっているのだ。
 大村監督にとっても、これは想定外だったのだろう。試合後も記者団の取材を受けて「やることは山積み」「これ以上、オフェンスが足を引っ張るわけにはいかない」と厳しい言葉を連ねておられた。
 もちろん、試合には相手がある。神戸大が自分たちの戦術を練り、とにかく積極的に攻め、守り続けようと、終始、意表を突くプレーを出し続けたことも影響している。その守備の揺さぶりに対応しようとしたファイターズのOL陣が思わず反則をしてしまったように見える場面も少なくなかった。
 もちろん、この日は攻守とも積極的に下級生を起用していたせいもあるのだろう。それにしてもこの日の攻撃陣にはミスが多かった。これを克服しない限り、到底、関大や立命を相手に勝利はおぼつかない。
 そこをどう克服していくのか。この日起用された下級生たちはもちろん、試合経験豊富な上級生にも奮起を促したい。
 一方で、いくつかのうれしい場面にも出会えた。一つは、けがでずっと試合から遠ざかっていたレシーバーの4年生、河原林と梅津の2人がフィールドに戻ってきたこと。共に的確なブロックや鮮やかなパスキャッチを披露し、さすがは数々の修羅場をくぐってきた4年生というプレーを見せてくれた。同じ4年生の糸川や3年生の鈴木、衣笠らと共に、今季のKGパスオフェンスを一層の高みに導く活躍を期待したい。
 もう一つは、ディフェンスバックとして起用された下級生の活躍である。苦しい場面でインターセプトTDを決めたDB中野は2年生、同じDBの東田と磯田(ともに1年生)も、それぞれ巧みな位置取りとカバーで鮮やかなインターセプトを決めた。競り合いの中で2度のインターセプトを決めた松島も2年生である。
 場内のFM放送席で解説を務めておられたOBの片山さんが試合中、何度も1年生2人の動きを絶賛されていただけに、彼らがパスを奪い取ったときには思わず拍手をしてしまった。
 アメフットは「戦術のスポーツ」であり、「交代自由」な競技である。この特徴を最大限に生かすためには、選手層を厚くしなければならない。そのためには、日頃の練習だけではなく、試合から学ぶことも数多い。そういう意味では、いくつものミスがあり、苦しい展開を強いられたこの日の試合は、最高の教材になるはずだ。
 ファイターズのみなさん。監督のいわれる「山積みになっている課題」に、懸命に取り組み、自らを鍛え、仲間を高みに引き上げてもらいたい。栄光への道は、自分たちで切り開くしかない。
posted by コラム「スタンドから」 at 19:48| Comment(0) | in 2022 Season
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