2019年10月07日

(23)うれしいニュース

 今週のファイターズホームページのトップに、二人の選手が登場している。3年生のOL高木慶太君とRB三宅昴輝君である。二人が並んで“表紙”を飾っているのを見て、僕は特別の感慨を覚えた。
 どういうことか。実は二人とも僕が今春まで、関西学院大学で受け持っていた「文章表現論」を過去に受講した学生であり、共に書く回数を重ねるたびに、文章を書く力が伸びていったことを記憶しているからである。
 僕は朝日新聞を定年で退職して以降、ずっと和歌山県田辺市にある紀伊民報で新聞記者をしている。その傍ら、関学でも10年以上前から今春まで、非常勤講師として「文章表現論」という講座を担当。学生たちに文章を書くことについて、現場からのアドバイスをしてきた。
 自分で言うのも何だが、結構な人気講座で、毎学期ごとに定員の4〜5倍の受講申し込みがあり、抽選で定員一杯の受講生を選んでいた。
 この3年間、現役の部員で受講してくれたメンバーには、4年生では寺岡主将をはじめマネジャーの安在君、OL川部君、DL藤本君、RB渡邊君、LBの藤田優貴君と田中君、DBの山本君と久下君といった名前が思い浮かぶ。3年生になると、上記の二人のほか選手ではWR高木宏規君、RB鶴留君、スタッフでは井上君、末吉君、島谷君、前川君。そして2年生の荻原さん。ほかに高等部や中学部、啓明学院でコーチをしているメンバーも数人が受講していた。
 一般の受講生を含めて出席率は高く、回を重ねるごとにそれがさらに高くなって行くのが、僕にとってはささやかな自慢だった。ファイターズの部員も、最近受講した面々は出席率もよく、毎週書き上げる800字の小論文の内容も、回を重ねるごとに上達していった。それもまた、僕にとってはうれしいことだった。
 一般の受講生の中には、毎回、信じられないほど上手な文章を書く学生がいたし、半面、書くことがまったく苦手という受講生も少なくなかった。60分という制限時間に800字の文章がまとめきれない学生もいたし、内容はいま一歩でも、なんとか頑張って書き上げる学生もいた。
 それは、ファイターズの諸君も同様で、いま名前を挙げた部員の中にも、書くことに苦しむ部員は何人もいた。
 しかし、素晴らしいのは、上記の諸君のうち、誰一人として「今日は書ききれません」と音を上げたことがなかったことだ。急なミーティングで欠席することはあっても、次の回には必ず欠席した日の課題を仕上げて提出したし、今春卒業したWR小田君のように、60分の制限時間内に2回分の小論文を一気に仕上げる猛者もいた。
 そうした受講生の中で、とりわけ僕が目を見張ったのが最初に紹介した三宅君と高木君、そしてWRの高木君だった。寺岡主将も含め、彼らは毎回、特別の輝きはないけれども、愚直な生活態度と考え方に裏付けられた文章を仕上げてくれた。その文章を読ませてもらうたびに「こういうきまじめな文章が書けるのは、部活も含めて、日々の生活が充実しているからに違いない」と確信していた。
 そうした見方、考え方は、グラウンドに出掛けて彼らの練習に対する取り組みを見ているときにも、頭から離れなかった。今回、彼ら二人が並んでホームページの“表紙”を飾り、チームの仲間からも彼らの取り組みが評価されているのを見て、特別の感慨を持ったのは、そういう事情が背景にあるからだ。
 ファイターズは、全国に聞こえたフットボールの名門である。それは過去の先輩たちが築いてきた名声であり、それを連綿と受け継いできた後輩たちが毎年の厳しい戦いを乗り越えて繋いできたバトンである。
 けれども、それが高く評価されるのは、運動競技のプロとしてではなく、本来の意味での大学の課外活動として取り組んできたからであり、だからこそ現役の学生、コーチらは日々「文武両道」を目指して活動しているのである。
 その「文」の面での取り組みを指導する側から評価してきた選手が「武」の面でもチームから高い評価を受けている。彼らの「文」の一端を知っている僕にとっては、それがなによりもうれしいのである。
posted by コラム「スタンドから」 at 23:37| Comment(4) | in 2019 Season
この記事へのコメント
ファイターズの誇れるものの一つは、選手が文武両道ということを実践していることであります。日本一を何年も続けていても、学業の面で悪いと試合には出してもらえないという厳しさ。これほど厳しいチームは日本のどこを探してもないのではないかと思います。でもそれは本当に大切なことです。一流チームの選手であることと、学生としても一流であることのプライドを大切にしていただきたいです。私自身が学生時代はそうではなかったことを反省しながら、ファイターズの選手を誇りに思っております。
Posted by saka49 at 2019年10月08日 05:44
勝っているのに恰も負けたかの如く、キツい内容で、或いは微に入り細に入り論らわれて、窮屈な前節後だったかも知れません。近年は比較的、勝率や甲子園ボウル出場回数が高く多いので、観ている側の欲求も贅沢になっているのでしょうか?
好きな部活動を続ける為、学生の本分を疎かにしていない現実は折りに触れ伺っています。春には、講義をかまけていた部員が気持ちを改め、試合にも出場出来るようになったという記事も読みました。
監督を初め、指導陣にお任せするより他はなく、第5節もいそいそと応援に参じます。
Posted by Blue Blood at 2019年10月08日 14:43
先日の試合で事実だけを言えばふざけたような仕草でスポーツマン何とか(よく聞こえませんでした)で反則があったり入るのを忘れたのかわからないけどあわててヘルメットを被りながら入っていく選手がいたり止められて悔しいからってボールを地面に叩きつけた選手がいました。
OB?父兄?の人たちも機嫌悪そうにムーっとしているし
足をカタカタさせていたおじさんもいて雰囲気の悪さに加えて物理的な振動も伝わってきていました。
勝ち負けのことではなくて選手の態度を見苦しく感じたのと
去年はそんなことはしていなかったのに上級生、最上級生になった途端にそういうことをするのかとイラ立った居心地の悪い空間に感じたというのが正直な感想でした。
(あのボール1個ずつ手作業で作ってんだけどな・・・)
以上、チケット代と交通費と時間とメンタルを削られ一言で言うと
「後味の悪い時間を過ごした」
外野のつぶやきでした。
Posted by yae-tan at 2019年10月09日 18:30
グラウンドレベルの細かい部分は双眼鏡も持たず、目を凝らしてなかったので、分かりませんでした。あの展開では、イライラする観戦者もおられたでしょう。私どもの席近くにいらっしゃれば、周りは焦燥しつつも勝利を信じて声援を送る方々だったので、ストレスも軽減されたかも知れませんね。懲りずに共に応援してまいりましょう。
Posted by Blue Blood at 2019年10月10日 00:04
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