2019年06月04日

(9)ガッツを求む

 2日は、関西学院の第3フィールドで甲南大学とのJV戦。途中、小雨の降る嫌な天気だったが、期待の新戦力が続々登場したので、そこに注目して観戦した。
 新戦力といっても、二つのコースがある。一つは今春入部したばかりだが、高校時代から非凡な才能を発揮してきたメンバーであり、もう一つは高校時代は他の競技に集中し、大学に入って初めてアメフットに取り組んでいるメンバーである。
 例年、この時期のJV戦にはそうしたフレッシュマンと、この1年、フットボールのできる体作りに励み、ルールを覚え、基本的なプレーの習得に務めてきた2年生が次々に登場してくる。
 甲南戦でいえば、1年生では背番号の若い順にWR糸川(箕面自由)、DB小林龍斗(日大三高)、DL山本大地(大阪学芸)、WR河原林佑太(高等部)、WR福田徳馬(豊中)、TE小林陸(大産大付)がメンバー表に登録され、それぞれ先輩にも負けないプレーを見せた。糸川は立ち上がりからQB山中からの長いパスをこともなげにキャッチし、先日の関大戦で鮮やかにTDを決めたプレーがフロックではないことを証明した。
 小林陸も185センチ96キロというラインも顔負けの体を生かして相手守備陣を圧倒し、短いパスを2本、確実にキャッチした。先日の神戸大戦では途中から出場し、相手OLを下から突き上げるように崩していた山本は、この日も堂々と相手のラインと渡り合っていた。LBとDBの二役を引き受ける小林龍斗の動きもいい。初めてのスタメンというのに、相手のボールキャリアに的確に反応。今後の成長が大いに期待できる動きを披露してくれた。
 さすがは、高校時代からそれぞれのチームを背負って活躍してきたメンバーである。先輩たちに混じっても、ひけをとらないほどの活躍振りであり、今後の期待値の高さがうかがえるデビューだった。
 一方、高校時代は野球部員で、フットボールは未経験だったLB都賀と細辻の動きも素晴らしかった。相手の動きに機敏に反応して的確なタックルを決め、パスプレーでも反応のよい動きを見せていた。同じく高校時代はラグビー部だったDB宮城はゴール前に投じられた相手のパスを奪い取り、反撃の目を摘んだ。高校時代、バスケットボール部でインターハイなどに出場をしているDBの前田も、まだまだ動きは初々しいが、さすがはアスリートという片鱗を見せていた。
 すでに一軍の試合で活躍しているDBの井澤や吉田、TE亀井、DL野村らの3年生を含め、こうした他競技経験者に共通するのは、ガッツがあること。入部したその日から1年間、試合に出ることはかなわず、ひたすらルールを覚え、体をつくり、基礎的な動きを身に付けることに専念してきた苦労はダテではない。ある部員はその俊足を生かし、ある選手は反射神経の良さや鍛えた体力を生かしてチームに貢献する。
 それを支えているのが中学、高校時代からフットボールに取り組んできたメンバーに追いつき、追い越したいという強い気持ちである。その気持ちが試合になればプラスに働く。その意味で、どちらかといえばスマートなタイプが多い高等部や啓明学院出身者とは、ひと味違う「雑草派」と表現してもいいだろう。
 今春入部し、いまは体力づくりに専念しているメンバーもまた、こうした「雑草派」のガッツと取り組みに学んでもらいたい。
 勝敗は、一人一人の部員が一人も欠けることなく「死にものぐるいになれるかどうか」にかかっている。
 その意味では、正直に言って甲南大とのJV戦も物足りないことが多かった。上級生が不用意な反則を犯して得点機を逃したこともあったし、スナップが悪くてFGをしっかり蹴ることができなかったこともある。それは今季、慶応大や神戸大との試合から続いていることであり、こうした点に改善の跡が見えないことが残念だ。「学生を圧倒する」というのなら、圧倒できるだけの練習とそれを貫徹するためのガッツが不可欠である。
posted by コラム「スタンドから」 at 08:13| Comment(2) | in 2019 Season
この記事へのコメント
私も観てきました。さすがにJV戦はいいですね。前回の神戸大戦は1年生の登録は1人でしたが、今回は6人でした。何か今年の1年生は「いよいよ期待の新人がベールを脱ぐ!」というような感じです。それほどレベルが高いように感じております。だからX戦に出ているメンバーも気を抜いていると追い越されてしまうのではないかと思ってしまいます。石井先生が一人一人のことを書かれていますが、先生が書かれているメンバーはみんな存在感がありました。確かにまだ1年生ですので、技術的にも経験的にも未熟ですが、それはあと少し時間が必要だと思います。でも彼らの勢いは秋にはX戦にその名を連ねそうな選手が何人もいました。「ガッツ」が必要なのはむしろ3年4年の選手ではないのかな?と思ってしまいました。彼らも「ガッツ」を表に出していかないと、頭の上を飛び越していきそうな勢いが今年の1年生にはあります。JV戦があと2戦あります。それを経験して、夏合宿で鍛えて、いよいよ秋本番ですが、果たして彼らがどれだけ成長していくのか、今から本当に楽しみです。
Posted by saka49 at 2019年06月05日 01:34
もう一言です。
#13QBの山中君はいいですね。私は助けの神様のように感じております。あの長身から柔らかなフォームで繰り出す正確なパスは一級品です。それに周りがよく見えているようで無理なパスは投げない。また切り替えがはやくて、走ると早い。高等部の頃は「走れるQB」と言われていたようですので当たり前なのかもしれません。次戦にはエースの奥野君が出るのか?それとも彼がスターターなのか気になるところです。JV戦は彼を中心に組み立てていくでしょう。昨年のQBは「三本の矢」などと言われていました。今年も万が一の負傷に備えて奥野君と同等のQBがいたらこころ強いです。でも奥野君は昨年のMVPの選手ですので追いつくのは大変ですが秋までには時間があります。私は彼の成長している姿を勝手に想像しております。
Posted by saka49 at 2019年06月05日 15:18
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