2008年08月09日

(14)夏に鍛える

 このところの週末は、信州の山登り、高校野球の会議、友人の還暦祝いの集まりと行事が集中している。おまけに毎週金曜の夜は、高校生の小論文塾がある。とんとファイターズの練習を見にいく機会がない。
 ようやく昨日、久しぶりに第3フィールドに出掛けた。夏の合宿直前とあって、みんな気合の入った練習をしていた。見れば、早くも秋のシーズンのように、つるつるの坊主頭になった選手が何人もいた。主将の早川君やフレッシュマンの香山君たちだ。何か不始末でもして、頭を丸めたのかと聞いたが、そうではなく「気合を入れるためです」という。そういえば、いつもは髪がばさばさの堀口コーチまで、丸坊主に近くまで髪を切っていた。夏合宿を前に、気合が入っているのが、そんなところにもうかがえる。
 隣に座って練習を見ている鳥内監督に水を向けてみた。
 「QBたちがいい感じになってきましたね。動きがキビキビしてきました」
 ところが、意外な返事が返ってくる。
 「まだあきません。ゴムのボールが投げられへんのですわ。合宿では、しっかり練習させます」
 それなら、と別の質問。
 「今年はけが人が少ないですね。松葉杖を突いた選手もいないようだし」
 「まだ、けが人が出るほどの練習をしていませんもん。1日から練習を再開したばかりですからね。せっかく調子に乗ってきたと思ったら、連日のカミナリでしょう。思い通りに練習ができませんわ」
 どうも話が盛り上がらない。それならと、今年のチームで評判のよい1年生のネタで迫ってみた。
 「1年生がいいですね。よう日に焼けて。いい練習ができているんでしょう」
 「海にでも行ったん違いますか。まだ日に焼けるほど練習していませんよ」
 「それでも、もう上の練習に入っている子が何人もいますね。秋には、大いに活躍してくれるんでしょう」
 「いい素質を持った子はいますよ。でも、すぐにけがしよるんですわ。上級生とは鍛え方が違いますから、無理はさせられませんよ」
 なかなか、こちらが期待するような、調子のよい返事は返ってこない。それどころか、どんな話題を振っても、これからの課題ばかりに話が向かう。「社会人に勝って日本1」を目標に掲げるチームを預かる責任者だからこその発言だろう。
 そういう課題を一つひとつ克服していくのが夏合宿であり、これから本格化するリーグ戦に向けた練習である。監督の心配が杞憂に終わるように、しっかり気合を入れて練習し、実りの秋を迎えてもらいたい。
 ということで、話はころっと変わる。今年、スポーツ推薦入試で関西学院を志望してくれる高校生の話である。
 さきに書いたように、いま彼らと毎週、小論文の勉強会をしている。誰が何学部を受験してくれるのかというようなことは公表できないが、今年もなかなか魅力的な高校生が集まっていることだけはお伝えできる。
 もちろん、僕が教えているのは小論文の書き方である。アメフットではない。だから、ファイターズの部員として、どのように活躍できるのかは、直接には判断できない。
 けれども、小論文を書かせてみると、物の考え方が分かるし、物事に取り組む姿勢も分かる。小論文の指導が終わった後、一緒に食事をしている時の言動などから、リーダーシップがあるとか、精神的に強いものを持っているとかも、ある程度は想像が付く。
 このように高校生とつきあい始めて、今年で10年になる(第1期生があの平郡雷太君である)。この間に接した高校生がファイターズの一員となり、どんな選手に育っていったか、そして卒業してどのように生きているかということは見続けている。高校生のときの勉強会に対する取り組みと、その後の成長を照らし合わせた結果として「スポーツ推薦入試で小論文テストを課すのは意味がある」と実感できるのである。
 そういう、いわば「採点者の目」で見ると、昨年に続いて「今年もまた将来が有望な高校生が集まってくれた」という結論になるのである。
 僕の役割は、この高校生たちが自信を持って小論文を書けるようにすることである。今のところは順調にいっている。だが、試験まではまだ少し時間がある。夏合宿でがんばるファイターズの諸君の向こうを張って、いま一息、がんばってもらおうと思っている。
posted by コラム「スタンドから」 at 21:33| Comment(0) | in 2008 season
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