2016年10月12日

(22)フットボールは格闘技

 このところ、とてつもなく忙しい日が続いている。ずっと前に約束していた文庫本の解説の締め切り日が迫っているし、今日の午後には高校での講演会もある。その準備も仕上げなければならない。大学では秋学期が始まり、毎週末には授業がある。金曜日に2コマを受け持っているだけだが、毎回、受講生に小論文を書かせているので、週末はその添削、講評作業に追われる。
 もちろん、本業の新聞社の仕事は手を抜けない。週に3回コラムを書き、社説も担当する。対外的な折衝もする。社内の記者を集めた勉強会も主宰しているから、その準備にも追われる。
 そういう中で、ついついこのコラムの更新が間遠になっている。秋の関西リーグが4節を終え、シーズンが佳境に入ってきたのに、何という情けないことか。誠に申し訳ない。
 さて、第4節の神戸大との戦いである。結論から言うと、何とももどかしい試合だった。いや、もどかしいというだけでない。こんな仕上がりで、これから続く関大、京大、立命館との戦いに挑めるのか、と心配になるほどだった。
 ファイターズのレシーブで試合が始まる。しかし、神戸大のキックを1年生レシーバーがファンブル。なんとかそのボールを確保し、神戸大の反則もあって、失敗は帳消しとなったが、今日も前途多難を思わせる。
 自陣30ヤードから始まったファイターズ最初の攻撃はRB野々垣、橋本のランで簡単にダウンを更新。だが、ここでセンターのスナップミスが出てマイナス15ヤード。せっかくの攻撃リズムが崩れてしまう。QB伊豆からWR松井への23ヤードパス、橋本の中央突破と続いて、再びダウンを更新したが、次が続かない。QBとレシーバーのタイミングが合わずに、結局はパントで攻撃終了。
 この最初の攻撃シリーズだけを見ても、キックキャッチのミス、スナップミス、レシーブミスと続いて、自らリズムを壊してしまっている。要所要所で切れ味のよいランが決まり、長いパスが通っているのに、フィールドゴール圏内にも進めない。もどかしい攻撃である。
 逆に守備陣は安定している。DE柴田のパスカットなどで、相手攻撃を3&アウトで抑える。WR亀山の15ヤードのパントリターンもあって、相手陣46ヤードから再びファイターズの攻撃。ここは伊豆のスクランブル、野々垣の28ヤードランとたたみかけ、ゴール前16ヤード。そこで伊豆からWR池永へのパスが決まってTD。K西岡のキックも決まって7−0。
 次の攻撃シリーズも、野々垣が8ヤード、RB加藤の21ヤードをランで稼ぎ、陣地を進めるが、肝心なところパスが通らず、1Qはそのまま終了。
 2Qに入るとすぐ、自陣45ヤードからファイターズの攻撃。伊豆から亀山へのパス、伊豆の20ヤード独走で陣地を進め、簡単にゴール前26ヤード。そこでファイターズに反則があり、マイナス5ヤード。今度は伊豆から左サイドライン際の松井に短いパス。それを受けた松井が相手ディフェンスを振り切ってゴールに走り込む。タッチダウン、と思った瞬間、ファイターズにホールデングの反則。TDのプレーとは関係のないサイドで起きた反則で、せっかくのTDが認められない。ちぐはぐな攻撃が続く。
 ようやく次のシリーズ。野々垣へのショベルパスや橋本、加藤のランでリズムを作り、仕上げは野々垣が左サイドを駆け上がってTD。2Q終了間際には西岡が46ヤードのFGを決めて17−0で前半終了。第3Qに入ると、ファイターズは、亀山、前田、阿部のWR陣に立て続けにパスを通し、加藤のランで仕上げて24−0。次の攻撃シリーズからは、ベンチを温めることの多かった4年生を次々に投入。守備陣にも、2枚目、3枚目の選手を起用していく。
 そのせいか、3Q終了までは相手攻撃を完封していた守備陣にほころびが出始め、とうとうTDパスを通されてしまう。終わって見れば、ファイターズが31−6で勝利したが、試合内容は終始ちぐはぐ。不用意なミスは出るし、意味のない反則も続く。自らリズムを崩すプレーの連続で、せっかくの光ったプレーが生きてこない。
 試合後、鳥内監督もそれを認め「自分でリズムを壊している。こんな内容ではこれからの3試合はしんどい」と話されていた。
 僕も試合後、何人かの主力選手と話す機会があったが、聞こえてくるのはチームの現状の苦しさを認める言葉ばかりだった。
 さて、こうした現状をどう立て直していくのか。
 思うに、4年生が先頭に立って汗をかき、後ろ姿で下級生にその本気度を見せていくしかないのではないか。練習前、練習後のハドルで、幹部たちがそれぞれの言葉を尽くしてチームを鼓舞しているが、それ加えて、練習でも試合でも「Fight Hard」を体現するしかないのではないか。もちろん、3年生、2年生、1年生を含め、試合に出ている選手はすべて、悔しさを露わにし、闘争心をむき出しにして相手チームにかかっていかなければならない。フットボールは格闘技という原点を共有し、激しく戦う集団を再生するしか道は開けないと思うのだが、いかがだろう。
posted by コラム「スタンドから」 at 14:03| Comment(7) | in 2016 season
この記事へのコメント
本当に毎日が心配です。本年度は大丈夫なんでしょうか? 山岸君、見ていて気持ちの良いプレーが多いです。このキャプテンの背中を見て、部員皆が、ついていってほしいものです!
Posted by 高校教師 at 2016年10月12日 19:45
石井さんはじめ、皆さんが心配しているのと同感です。ここ20年近くリーグ戦を見ていますが、最近5年、特にオフェンスとキッキングにこんなに仕上がりに不安を感じる年はありません。素人意見ですが、松岡君がキャプテンだった年の気迫や三原君の年のQBパス陣の練習量といった取組を期待します。
Posted by 治さん at 2016年10月13日 05:05
朝日新聞の井若君の記事を読みました。凄い下級生だと思うと同時に、4年生はこれでいいのだろうか?と感じました。大人しいなんて書かれて悔しいでしょう。殻を破りましょう、奮起を期待します。
Posted by 頑張れ4年生 at 2016年10月13日 08:53
今年の試合運びのチグハグさの最大の要因はオフェンスにあるのでは。特に、パスの精度がここ数年に比べ低いのが気に掛かります。QBのパスコントロ-ル、遅いタイミングでのロングパスによるインタ-セプトの多さ、レシ-バ-とのコミュニケ-ション、レシ-バ-のパスキャッチ執着心など課題は山積と思われます。監督の指摘にもありますが、ビッグゲ-ムに向けて、「変わり、成長する」ことしか、覇者への道は開けません。オフェンス、キッキング、ディフェンスの完成度を高められんことを期待します。
Posted by はなごま at 2016年10月13日 18:40
松岡主将の頃から熱心にKG戦を追いかけるようになった者です。アメフト自体はS46から見てます。守備の要、全日本学生代表遠藤君が出れていない神大ディフェンス相手に3Qで漸く3つ目のTDを決めたQB伊豆君が本当に嬉しそうにしているのがサンTVの画面から見えました。志の低さに幻滅しました。試合前の整列前のサイドラインに、にやけている?選手も見えたように思います。
Posted by ジャイアントロボ at 2016年10月13日 22:53
 待っていたメンバー中、Cが戻ってきました。後はSSと…。今後はどのプレイヤーも極力怪我なきよう。
 次節は関関戦。強力DLと上手いDBを擁する相手に果敢に向かっていって下さい。QBは1ゲームを通して見たことがないので、どんな癖の持ち主かちょっと分かりません。その後2戦の相手先発QBは去年から2つほどは見てますので、薄ぼんやりと投げる時の習性や仕草等が見えてきましたが、自分なんかがとやかく言う事ではありませんね。ASが集積したデータに基づき、攻守蹴が遂行力を磨いていってほしいと思います。
 物静かな学生が多いFIGHTERSですが、フィールドにベンチに、そしてスポッター席に居る時は気持ちのスイッチが入るよう努めて下さい。まだ道半ば、悲観的な意見も散見されますが、今までと変わらず声援を送ります。
Posted by Blue Blood at 2016年10月14日 21:50
タッチダウンを取って嬉しがってはダメなんですか?サイドラインでにやけていてはダメなのですか?もうあなたたちのような世代の子たちではないのだと思います。

これまで勝っていたから誰も言いませんでしたが、梶原主将の時も実はチームはバラバラだったが、とにかく強かった。池永君の時も気迫はなかったが、強かった。ほかの大学が強くなってきているのです。それはアメフトファンとして喜ぶべきことでは?
Posted by millennium at 2016年10月16日 10:32
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