2022年05月17日

(1)今季初の応援席

 15日は、王子スタジアムで春季交流戦、桜美林大学との戦いだった。僕にとっては今季初めての試合であり、キックオフのはるか前から開門前の行列に並んだ。
 たまたま先週は時間的なゆとりがあり、水曜日と金曜日に上ヶ原の第3フィールドに出向いて練習を見せて頂いたので、チームの仕上がり具合はある程度、想像が付く。新しく幹部になって、下級生の頃とは練習に臨む態度が一変したメンバーもいるし、昨年秋の厳しい戦いを通じて急成長した選手もいる。
 入試対策の小論文指導を通じて、名前だけは知っていた新入生の中には、もう1軍の練習に加わっているメンバーもいる。
 そんな面々がどんな活躍をするか。まずはスタンドに座って当日のメンバー表を端から端まで眺める。
 毎年のことだが、新しいシーズンのはじめに見るメンバー表には、特別の感慨がある。前年まで活躍した4年生の名前がごっそり抜け、期待値の高い下級生の名前がどのポジションにも数多く並んでいる。その名前と顔を思い浮かべながら、さて、今日はどんなプレーを見せてくれるか。首尾よく1軍の試合で実力を発揮できるか。それとも気合いが空回りしてしまうか。すでに実績のある上級生から、新入部員まで、それぞれの名前と背番号をチェックしながら試合前の練習を見ている時間は、本当に充実している。
 午後1時半、相手のリターンで試合開始。第1プレーでいきなり13ヤードを走られ、ダウンを更新されたが、次のプレーをLB浦野が一発で止める。これで落ち着いたのか、続くランプレーもパスプレーも守備陣がきっちり受け止め、第4ダウンは相手陣35ヤード付近からのパント。
 このパントをキャッチしたWR糸川が鮮やかなステップで相手のタックルをかわし、相手がキックで稼いだ距離をそのままリータンして攻守交代。相手陣44ヤードからファイターズの攻撃が始まる。
 さて、どう攻めるか、と見ていたら、第1プレーも第2プレーもパスが通らない。けれども、そんなことでくじけるファイターズではない。第3プレーはQB鎌田からWR衣笠への長いパス。それが見事に決まってTD。記録上では44ヤードのパスだが、QBがいったん下がって投げているから、実際にパスが飛んだ距離は60ヤード近い。チーム史上でもまれな衣笠の走力と、鎌田の強肩が見事にかみ合って両軍の応援席がどよめくTDが生まれた。
 こうなるとファイターズベンチも落ち着く。守備陣はDB永井の素早いタックルなどで相手攻撃を完封。力強いOLに守られた攻撃陣は糸川や鈴木へのパスで陣地を進め、仕上げはRB池田のラン。あっという間に2本目のTDを奪って14ー0。2Qに入っても強力なラインに支えられたファイターズの勢いは衰えず、ランとパスを組み合わせ、仕上げは再び池田ランで21ー0。
 特筆すべきは、こうした攻撃を支えたOL陣と相手の攻撃を素早い出足で食い止めたディフェンス陣の力強さ。スタンドから見ていても、攻守ともにサイズ、筋力、スピード、ファンダメンタルをしっかり鍛えてきたことがうかがえ、今後の戦いに大いに期待が持てた。
 ベンチも同じような手応えを感じたのだろう。まだ第2Qの半ばというのに、次々と交代メンバーを起用。攻撃ではエースの鎌田まで引っ込めて、試合経験の少ない下級生QBに出番を作った。
 試合経験の少ないメンバーが多くなると、攻撃は思い通りには進まず、守備にもほころびが出る。2Q半ばからは双方にミスが続出し、互いに点を取り合う「乱打戦」になったが、終わってみれば45−21。ファイターズにとっては、攻守とも先発メンバーに地力が付いていることを確認できたこと、交代メンバーを次々に起用して彼らの現在地を確認できたことが一番の収穫と思える試合だった。
 付記
 @今季からキッカーとパンターを務めている福井君の成長ぶりに驚いた。昨年も折々に出場していたが、学年が一つ上がってボールの飛距離、滞空時間が長くなり、安定感も増している。昨年度、終始安定したキックを見せ、優秀スペシャルチーム選手として関西学生リーグから表彰されたK永田君に劣らぬ活躍を期待したい。
 A僕が密かに注目していた下級生メンバー(とりわけ、昨年はまったく出番のなかった面々)も次々に起用されたが、思い通りに動けなかったメンバーが多かったように思える。けれども、1年間、1軍の試合とは縁のない場所で鍛えてきた面々に、いきなりの実戦で経験者と同じ活躍を要求するのは無理がある。相手のスピード、当たりの強さを体験し、彼我の力の差を知っただけでも大きな収穫である。今季、入学したばかりのメンバーを含め、変に落ち込まず、この日の経験を今後の試合に生かすことを期して練習に励んでもらいたい。
posted by コラム「スタンドから」 at 08:51| Comment(1) | in 2022 Season